「もっと早くやればよかった…」"治療への恐怖”から発作を長年放置した30代女性の「後悔」【不整脈専門医が解説】

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「もっと早くやればよかった…」"治療への恐怖”から発作を長年放置した30代女性の「後悔」【不整脈専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

身体の調子がいつもと違うと思ったとき、ついついスマホやPCで検索をかけ、「自己流の診断」をしてしまう人は少なくありません。不安を取り除きたい思いから調べるものの、気がつくと「重症化のリスクといった余計に不安を煽るサイトに辿り着き、病院に行ったり治療を開始したりすることに躊躇してしまう場合も……。今回は、恐怖心から5~6年ものあいだ不整脈の発作に耐えてきた30代女性の症例を、東京ハートリズムクリニックの桑原大志院長が紹介します。

「治療=怖い」…長年発作が出ても我慢していたEさん

今回紹介するのは、「発作性上室性頻拍症」に悩む30代女性Eさんの症例です。

 

「発作性上室性頻拍症」とは、突然脈拍が早くなったかと思ったら、突然止まるという不整脈です。Eさんは、5〜6年前から不整脈があったものの、発作が出ても少し休めば治っていたため、ずっと放置していたそうです。

 

しかし、脈が190を超えることもあり、1度発作が起きると翌日まで苦しくなることも多くなってきたため、筆者のクリニックに来院されました。

 

Eさんは、これまでもいくつかの病院を訪ね、カテーテルアブレーション治療を勧められてきたものの、「心臓を焼く」という手術法に対しての恐怖が消えず、踏み込めなかったそうです。

 

そのため、どれだけひどい発作が起きてもただ耐えてきたのですが、さすがに脈が190を超えるような発作が頻回に起こるのは辛いものです。

 

診察してみると、すぐに「発作性上室性頻拍症だな」と直感しました。そして、その場合カテーテルアブレーションを行えば、1ヵ所焼くだけで治るだろうと確信しました。しかも、手術時間は1時間を切ることは間違いありません。

 

しかし、Eさんは不整脈についてさまざまなことを調べ尽くし、ご自分とは関係ない重症の症状まで知識として蓄えていらっしゃいましたから、とにかく「カテーテルアブレーション治療=怖い」という恐怖心しかありません。

 

しかし、筆者と会話を重ねるうち、治療に対する恐怖心よりも「治したい!」という想いが勝るようになり、思い切ってカテーテル治療を行うことを決断されました。

 

初診の日にすべての検査と予約を行い、「次はカテーテルアブレーション治療を行う当日、身ひとつで来ていただければ大丈夫です」と伝えると、「カテーテルアブレーション治療って手術でしょう? 手術ってもっと大掛かりな準備が必要じゃないの!?」と、あまりのあっけなさに拍子抜けした様子でした。

 

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