夢のマイホーム。購入の際には「物件価格の1割程度の頭金を入れる人が多いですね」というアドバイスをよく目にします。しかし、そんなアドバイスも鵜呑みすると痛い目にあうケースもあるといいます。みていきましょう。
「頭金は入れるな」の真意…年収600万円・40歳のサラリーマン、ローン破産を覚悟する「毎月の返済額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

「頭金は入れたほうがいい」というアドバイスを過度に捉えて

一方で、「頭金を入れるな」というアドバイスをする専門家も。頭金を入れたほうが月々の返済額は減りますし、余分な利子を払わなくてもいいのは明らか。それにも関わらず、フルローンを勧めるのはどういうことなのでしょうか。それはフルローンにもメリットがあるからです。

 

メリットは大きく2つ。まず「購入のタイミングを逃さない」というもの。条件のいい物件は早い者勝ち。頭金が貯まってから、と考えていると、もう二度と理想の物件に巡り合わないかもしれない……そのようなとき、頭金を気にせずに全額ローンで購入できれば買い時を逃さない、というわけです。

 

もうひとつのメリットが、手元資金を残しておけるということ。専門家が警鐘を鳴らすのは、住宅購入の際に「頭金を入れること」が最優先事項だと考えた結果、貯蓄のほとんどすべてを使い果たすケースが多いといいます。確かに月々の返済負担は軽くなるかもしれませんが、ある程度の貯蓄を残しておかないと、急な出費に対応できなくなります。

 

たとえば、急な病気や怪我による医療費、結婚式のご祝儀や葬式の香典といった冠婚葬祭費。マイホームでも水のトラブルがあったり、家電の修理費・買い替え費などもあるでしょう。数万円で終われば何とか耐えられても、それが数十万円になったら一気に家計が苦しくなり、ローン破綻を意識するように……そんなことも起こらないとはいいきれません。

 

住宅ローン、月々の返済額を抑えることだけを考えると、思わぬ落とし穴に陥ることも。「頭金の平均額は……」という謳い文句をよく聞きますが、適正額は人それぞれ。きちんと家計にあった頭金を検討することが大切です。