住宅購入…頭金を入れることのメリット
マイホーム購入に際し、「頭金を入れる」は常識とされています。その理由は、「住宅ローンの頭金を多くすると借入額が減る」というメリットがあるから。
国土交通省『令和3年度住宅市場動向調査』によると、40歳手前で3,000万円強を30~35年返済する住宅ローンを利用してマイホームを実現する……これがマイホーム購入者の平均像。頭金として800万~1,000万円程度を払っています。
【新築分譲住宅購入者の平均像】
■新築分譲戸建て
世帯主平均年齢 37.1歳
購入資金 4,205万円(うちローン3,405万円)
平均返済期間 34.1年
返済負担率:19.8%
■新築分譲マンション
世帯主平均年齢 39.5歳
購入資金 4,674万円(うちローン3,337万円)
平均返済期間 32.0年
返済負担率:18.1%
出所:国土交通省『令和3年度住宅市場動向調査』
※返済負担率以外は一次取得者に限る
たとえば4,000万円の新築住宅を購入しようとした40歳のサラリーマン、頭金1,000万円を入れた場合と頭金ゼロの場合を考えてみましょう。
返済方式は元利均等、金利は年0.5%とします。頭金を1,000万円を入れた場合、支払総額は32,312,288円。月々の返済額は89,756円となります。一方、頭金を入れずにフルローンだった場合は、総支払額は43,083,107円で、月々の返済額は119,675円。月々の支払いで3万円ほどの差が生じ、80万円ほど余分に利息を払うことになります。
40歳サラリーマンの平均給与(所定内給与)*は月36.4万円、手取りは27万~28万円ほど。年収は606万円です。頭金1,000万円を入れれば月々の返済負担率は17%ほどですが、フルローンだと月々の返済額は23%ほどになります。
*厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』より
返済負担率の適正額は20~25%とされていますから、フルローンでも問題はありませんが、長期に渡るローン返済。できるだけ月々の返済額は下げたいもの。確かに「住宅購入の際に頭金を入れる」のメリットは大きいことがわかります。