元会社員あれば「年金月14万円」。老後、「夫婦で2,000万円不足」。年金と老後に関して、さまざまなことが言われていますが、これらを前提にすると痛い目にあうだろうという専門家の指摘も。最も恐ろしい未来をみていきましょう。
月22万円だが…仲良し夫婦が20年後に手にする「唖然の年金額」恐ろしすぎる「年金制度崩壊」 (※写真はイメージです/PIXTA)

年金…おひとり様のサラリーマンなら月14万円

厚生労働省『令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、厚生年金受給者の平均年金額は月額14万5,665円。国民年金受給者では月額5万6,479円です。

 

また厚生労働省『令和5年度の年金額改定についてお知らせします』によると、令和5年度の国民年金満額支給額は月66,250円。また厚生年金の夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金額は224,482円。この夫婦というのは夫が会社員で、妻が20歳から専業主婦だった場合。夫は、平均的な収入(賞与含む平均標準報酬の月額換算が43.9 万円)で40年間就業した場合を想定したものです。

 

サラリーマン、おひとり様なら月14万円。夫婦なら月22万円。これが平均的な日本人の老後生活のベースとなるものだといえるでしょう。

 

総務省『家計調査』によると、65歳以上、無職の夫婦の1ヵ月の消費支出は月26万円ほど。片働き夫婦であれば年金だけでは月4万円ほど不足、共働き夫婦であれば年金だけで暮らせる、という見通しを立てることができます。

老後30年を見据えるだけで十分か?

――老後、生きていくためには2,000万円必要

 

2019年に世間を賑わせた老後資金不足問題により、すっかり定着した感がありますが、これは老夫婦が暮らしていくのに月5万円不足、健康なまま30年老後を生きるとしたら……というもの。つまり夫婦で95歳まで生きたら、貯蓄はゼロになる、ということになります。

 

厚生労働省『令和3年 簡易生命表』によると、95歳時点の男性の生存率は4.35%、女性は14.47%。老後2,000万円不足を前提としたら、男性で20人に1人、女性で6人に1人が、貯蓄なしの生活が続いていく、というわけです(関連記事:『【早見表】年齢別「生存率」0~100歳…<令和3年 簡易生命表>』)。

 

人生100年時代というキャッチフレーズ、大袈裟と考えている人も多いでしょう。しかし、今後さらに長寿化は進み、生存率も向上していくということを考えると、老後30年を前提とした貯蓄では、少々心許ないかもしれません。