退職金はあてにするな!専門家が警鐘を鳴らすワケ
ただし、退職金をあてにした人生設計に対しては、多くの専門家が警鐘を鳴らします。
厚生労働省『就労条件総合調査』によると、2017年調査時点で退職金が支給されない企業はおよそ2割ほどあり、そもそもあてにする退職金がないという状況。さらに退職金の平均額も年々右肩下がり。1997年で2,868万円だったのが、2017年には1,788万円と、20年で1,000万円以上も減っているのです。仮にこのペースで減少すれば、大企業勤務・40歳のサラリーマンが60歳定年を迎えるころには、退職金は1,000万円に。ローンを完済したら、すっからかんになります。
――そんなのヒドイ!
そういっても、退職金規定は社会情勢や企業の財務状態によって変わることも。入社前に退職金制度の確認ができたとしても安心できず、規定が変更されることは珍しくありません。
あと数年で定年退職のサラリーマンであれば「どれくらいの退職金がもらえるんだろう……」と考えられますが、定年なんてまだ先の先、という段階でシミュレーションしてもほとんど意味はありません。実際に退職金を手にしたときに「たったこれだけ!」と地獄をみる可能性は高いといえるでしょう。
安定した老後を望むのであれば、退職金とは別に、早めに老後に向けての備えをスタートすることが肝心。さまざまな資産運用法があるので、自分に合った方法を見つけ、ゆとりをもって資産形成を進めていきましょう。