コロナ禍からの反動…2022年の犯罪認知件数は増加
警察庁『犯罪統計(令和4年1~12月分 確定値)』によると、2022年、刑法犯の認知件数は60万1,331件。前年から5.8%増となりました。2021年はコロナ禍で街頭犯罪や侵入犯罪が激減し、戦後最少を更新しましたが、行動制限が解除された結果、反動増となりました。
【刑法犯総数の推移】
2018年:81万7,338件
2019年:74万8,559件
2020年:61万4,231件
2021年:56万8,104件
2022年:60万1,331件
出所:警察庁『犯罪統計』より
認知件数を細かくみていくと、「凶悪犯」は4,437件で、昨年より6.9%増。「殺人」は2.4%減となりましたが、「強盗」0.9%増、「放火」4.3%増、「強制性交等」19.2%増となりました。
「粗暴犯」は5万2,701件で、昨年比6.0%増。「暴行」5.3%増、「傷害」7.5%増、「脅迫」3.7%増、「恐喝」4.3%増となりました。
「窃盗犯」は40万7,911件で、昨年比6.8%増。「侵入犯」は1.8%減でしたが、「乗り物犯」が19.4%増となりました。
さらに「知能犯」は4万1,308件と、昨年から12.7%と大幅増。「偽造」は5.4%減となったものの、「詐欺」は13.7%、「横領」は11.7%と大きく増加となっています。
一方で「侵入盗」は3万6,588件と、昨年比1.8%減。「空き巣」5.1%減、「忍込み(家人が就寝時に住宅の屋内に侵入し、金品を盗む犯罪)」17.9%減、「居空き(家に人がいるとき侵入して、金品を盗む犯罪)」は10.0%減となっています。
検挙件数をみていくと、25万0,350件で前年比5.3%の減少。検挙率も41.6%で5.0%の減少となりました。犯罪件数は増えているものの、検挙率が下がっていることで、治安の悪化と気にする人が増えているのかもしれません。