誰もが利用するだろう、コンビニエンスストア。そこで「最近、高齢者の店員が多いなあ」と感じたことはないでしょうか。そもそも年金を手にして、悠々自適に暮らしているはずの高齢者。なぜコンビニで働いているのでしょうか。みていきましょう。
年金10万円だが…元会社員の70代女性「時給1,020円」で「コンビニバイト」を続ける切実な理由 (※写真はイメージです/PIXTA)

コンビニで働く70代女性…元会社員なら「平均年金月10万円」だが

――近くのコンビニで、70代だと思われるおばあちゃんがいて

 

ネット上でみられる、そんな投稿。続けて「わたしたちも、70代になっても働かないといけないのかな」と締めくくっています。

 

厚生労働省の資料によると、コンビニエンスストアの店員の一般的な就業形態は、「学生以外のアルバイト」が48.2%、「パートタイマー」が39.3%、正社員が14.3%、「学生のアルバイト」が7.1%となっています。もしかしたらコンビニのオーナーという可能性もありますが、この70代の高齢女性、おそらくアルバイトではないかと推測されます。

 

コンビニ店員は学生の鉄板バイトではありますが、都心でも地方でも店舗は増加傾向。慢性的な人手不足のため、高齢者や外国人労働者(留学生)が雇用されるケースが増えています。

 

その仕事は商品を販売したり、各種のサービスを提供したりと、実に多岐に渡ります。POSレジで商品のバーコードをスキャンし、会計をして、袋詰めを行う。公共料金等の支払受付を行う。宅配便の受付を行う。各種チケットの販売を行う。天気予報などを考慮して商品の発注を行う。納品された商品を検品し、商品棚などに品出しを行う。客への挨拶や気配りも忘れてはなりません。

 

想像以上に大変なコンビニバイト。基本的に立ち仕事ですから、高齢者にはツラいはず。それにも関わらず、なぜ、高齢女性は仕事を続けているのでしょうか。内閣府『令和元年度 高齢者の経済生活に関する調査』で紐解いていきましょう。

 

そもそも「収入のある仕事をしている」高齢者(60歳以上)の割合は、37.3%。70代前半では男性の41.7%、女性の35.5%、70代後半では男性の28.8%、女性の19.5%。さらに80歳以上も男性で10.3%、女性で9.7%と、年齢を重ねるにしたがって減るものの、珍しい存在というほどではありません。

 

コンビニアルバイト。その時給は全国平均で1,020円ほど。東京では平均1,080円ほどです。毎日5時間ほど働き、月の半数働いたとしたら、月に7.6万円ほど。元会社員の女性の場合、年金と合わせると、月の収入は18万円ほどになる計算です。