学校を卒業してから、数十年に及ぶ会社員人生。「体力が続く限りは働きたい!」という人もいれば、「できるだけ早くリタイアしたい」という人も多いでしょう。ただその想いを叶えるためには、経済的な問題が……。みていきましょう。
「会社、辞めてきた」「えっ!?」年収800万円の55歳・父の衝撃告白に家族も騒然…最期まで働かなくてもいい「羨望の貯蓄額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

早期退職制度を利用して「退職」&「もう働かない」は現実的?

55歳となった日、帰宅した父からの衝撃的なひと言。

 

――会社、辞めてきた

 

家族にとっては寝耳に水で大激震。ネットをのぞいてみると、そんな決断をする人は結構いることが分かります。

 

会社員としての大決断。やっぱり羨ましい、というのが本音でしょうが、突然の出来事に巻き込まれた家族にしてみたら、「わたしたち家族、この先、大丈夫!?」と不安になるでしょう。

 

そもそも早期退職制度があるのは50.6%で、うち勤続年数を要件とする企業は、制度のある企業の73.8%。その所要年数は平均13.8年となっています。また制度のある会社のうち、97.6%が退職一時金の優遇措置があり、優遇措置のある会社の内51.2%が定年退職と同等に扱い、47.6%が退職時の年齢に応じて支給額を加算しています。

 

――定年退職と同じなら、55歳で辞めてもいいかな

 

そういう人も多いでしょう。

 

モデル退職金をみると、大学卒の事務・技術(総合職)だと、定年退職で2,563.9万円、勤続35年(57歳)で2,364.9万円、勤続30年(52歳)で1,915.4万円。大学を卒業して、同一の企業に勤めていれば、2,000万円の退職金が手に入る、というパターンも多いでしょうし、定年退職時と同等の退職金が支払われるのであれば、2,500万円ほどに。それであれば、早期退職制度を利用するのも納得かもしれません*。

 

*中央労働委員会『令和3年賃金事情等総合調査』より

 

また55歳といえば、会社員人生においてもピークに達するころ。厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、大卒・正社員(男性)の場合、20代前半で月収(所定内給与)23.1万円、年収341.5万円だった給与は、年齢を重ねるごとに増加。55歳では月収51.4万円、年収で833.4万円となります。ここで退職して有終の美、というのも悪くないかもしれません。

 

ただ、早期退職制度を利用しても、その会社とは区切りをつけて再就職するパターンが多いよう。人生100年時代。30年、40年と人生が続くことを考えたら、経済的にも働けるなら働いたほうが得策、といったところでしょうか。

 

そんななか「再就職しなくても心配なし」という人は、人生の勝ち組といえるのかもしれません。