株式投資について一通りの経験を積んだものの、「思うように成果が上がらない」「もっとよい成果を出したい」といった悩みを抱える人も少なくありません。そこで、「中級以上の投資家」が今後の株式投資で実践すべき3つのことについて、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏が解説します。
なぜ勝てないんだ…知識はあるが成果がでない「投資経験者」が実践すべき“3つ”のこと【投資のプロが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

知識の吸収は続ける

ひとりの人間がすべての知識を持つことは不可能ですし、世のなかは常に変化しているものです。

 

ですから、たとえ基本的な知識を持っている中級以上の投資家でも、本やネットの文章を読んだり、人から話を聞いたりして、知識の吸収は続けていくべきではないでしょうか。

 

株式投資は、世のなかと密接な関係を持っています。政治、経済、ビジネス、歴史、科学、技術など、何の知識が、何の役に立つかわからない面もあります。

 

かのウォーレン・バフェット氏も並外れた読書家で、本や決算書などを読むことに毎日5、6時間を費やしているという話もあります。

 

知識の吸収はやはり、中級以上の投資家にも大切なのです。

運用記録をしっかりと残す

ただし知識の吸収だけでは不十分で、中級以上の投資家は、自分なりの方法を確立していくことが重要になります。それは、誰かが知っていることを自分にインプットするのではなく、誰も知らないことを見つけていく作業だ、といい換えてもよいでしょう。

 

そのために必要なこととして、まず、運用記録をしっかりと残すことが挙げられます。

 

これは「何パーセントの利益を上げた」という年毎の単純な運用成績もそうですし、「この仮説に基づいて買ったこの銘柄では何パーセントの利益だった」「あの仮説に基づいて買ったあの銘柄では何パーセントの利益だった」「方法を変える前は何パーセントの利益で、変えたあとは何パーセントだった」など、細かければ細かいほどよいと思います。

 

というのも、記録を残すことと、数字にして定量化することは、真実(投資家にとっては、よりよい投資手法)を明らかにするための基本だからです。

 

「何をしたら、どういう結果が得られたか」を明らかにするために、運用記録をしっかりと残すことが重要となるのです。

よりよい成果を上げるために「仮説→実践→結果分析→仮説」

そしてそのうえで、以下のプロセスを繰り返すとよいでしょう。

 

  1. 「こういう投資をすれば、よりよい成果が上がるだろう」という仮説を立てる
  2. 仮説に基づいた売買をする
  3. 結果を分析する
  4. よりよい成果を得られるように新たな仮説を立てる(1.に戻る)

 

つまり、「仮説→実践→分析→仮説(戻る)」を繰り返していくのです。