薄毛は「本人が気づかない」うちからはじまっている
将来の薄毛予防目的でクリニックを受診する人は少なくありませんが、自分ではまだ薄毛ではないと思っていても、実際にはAGAの進行がはじまっている、ということがほとんどです。
筆者は初診時の問診で「何年前から薄毛が気になりましたか?」と聞いていますが、薄毛の進行度から推測するに申告された年数よりももっと前から薄毛がはじまっていたのではないかと思う人も多くいます。
いずれにしても薄毛は年単位で進行するため、特に進行初期の段階ですぐに気づく人はほとんどいないでしょう。
薄毛の進行がある一線を越えて初めて、「いつの間にか薄毛になっている……」と気づくことのほうが多いように感じます。
AGAは気づかないほどゆっくりと、生え際でいえば1年間で数mmずつ進行しているので、よほどご自身のボディイメージに敏感な人でもないと気付かないことが多いのです。
薄毛の進行度にはかなり個人差がある
生まれつきの体質として、髪の毛の太い人、細い人という個人差があります。
人生のうちで一番髪の毛が多いと言われる中学生〜高校生の頃でも、
「髪の毛が太く密度も多くて、ボリュームが多すぎて困る」
という羨ましい人もいれば
「髪の毛は細くてサラサラ、つむじ部分も毛が広がって生えているので薄く見える」
という人ももちろんいます。
AGAがはじまる前の10代中盤までは、毛が細い人でも薄毛が目立つ人はほとんどいないと思います(なかには生まれつきの髪の毛の性質で薄毛に見えてしまう人もいるため、そのような人はなおさら早めの薄毛治療をお勧めします)。
ただ、思春期頃からAGAの進行がはじまると、元々髪の毛の細い人はAGAによりさらに毛が細くなることで、あっという間に薄毛に見えるようになってしまうのです。
一方で、生まれつき髪の毛の太い人は多少細くなったくらいで見た目は変わりません。しかし、やはり時間の経過とともにAGAの影響も蓄積され、40〜50歳頃から薄毛が目立つようになっていきます。
同様に生まれつき生え際が広い人は早くからAGAの進行が目立ちますし、生え際の狭い人は進行と共にゆっくりと目立ってくる、というわけです。
自分はまだまだ大丈夫!
と思っている人でも、実は20歳頃と比べるとじわじわ進行がはじまっているということも少なくないため注意が必要です。
20歳頃の髪の毛の写真を記録している人はほとんどいないと思いますが、中学、高校の卒業文集の写真と比べると参考になるのではないでしょうか。