年に4回訪れる決算発表は、株価が大きく変動しやすいタイミングです。なかでも、決算時に配当金を支払う企業の株は「権利落ち日」に下落しやすいと、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏はいいます。では、この「権利落ち日」を上手く乗り切るにはどのような心構えで取引すれば良いのでしょうか、みていきます。
高配当株は要注意…賢い「権利落ち日」の迎え方【投資のプロが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

実は「権利付き最終日」までが重要

そして実は、本当に重要なのは「権利付き最終日まで」ではないでしょうか。

 

こう考えることもできます。

 

「権利付き最終日間近は株価に配当相当分のプレミアムが付いている」

 

したがって、そのプレミアム付きの株価に惑わされてしまうことが、一番危険なのです。

 

権利付き最終日間近に配当目当てで高値掴みをしたり、権利付き最終日に向けて上昇している株を同じく高値掴みしてしまうことを、避けなければいけません。そこで買ってしまうと、権利落ち後に大きく下がる可能性があり、損切りしたり塩漬けにしたりしないといけなくなるかもしれないからです。

 

一方で、権利付き最終日までの期間に、権利落ち後の下落を考慮してもなお株価が高いと判断できるならば、その時点で売るのも手です。権利落ちまで待って配当受け取りの権利を得ても、その分株価が下がる可能性もあるのですから、それならば先に売って現金化して、その資金でまた別の投資先を探す方が効率が良いからです。

 

結局どんな時でも、その株価が高いか安いかを冷静に見極め、安く買い、高く売ることで、利益が出せるのです。

 

まとめ:権利落ち日に起きることを想定して冷静に売買しよう

配当目当ての売買をする人が多いため、権利落ち日には株価が下落する傾向があります。理論上は、配当相当分が下がる、と考えられています。

 

「下落しても権利落ち後の株価が高い」と判断できるならば、今後の株価は逆に下がる確率が高いと思われますので、売ってもよいでしょう。逆に、「権利落ち後の株価が(相応以上に)安い」と判断できるならば、今後の株価は上がる確率が高いと思われますので、保持し続けて上がるのを待つのがよいのではないでしょうか。

 

一方で、権利付き最終日までの期間に、権利落ち後の配当相当分の下落を考慮してもなお株価が高いと判断できるならば、その時点で売るのも手です。権利落ちまで待って配当受け取りの権利を得ても、その分株価が下がる可能性もあるのですから、それならば先に売って現金化して、その資金でまた別の投資先を探す方が効率が良いからです。

 

結局どんな時でも、その株価が高いか安いかを冷静に見極め、安く買い、高く売ることで、利益が出せるのです。

 

 

株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO

川合 一啓