令和3年度の40代単身世帯の平均貯蓄額は818万円、40代2人以上世帯の平均貯蓄額は916万円といわれています。そのようななか、高校教師であるAさんは、42歳で驚きの貯蓄額を達成しました。みていきましょう。
手取り38万円・42歳の私立高校教員…リーマンショック時には大打撃も、20年で達成した「驚きの貯蓄額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

資産作りを成功させるために重要なポイント

Aさんとお話しして、とても真面目な印象を受けましたが、それ以上に将来のことをしっかり考える方だと実感しました。Aさんは、大学卒業後、高校教師としての約20年間、お給料からの積立投資とボーナス運用で約2,000万円を作り上げました。これは、「複利効果」「長期運用」「分散投資」といった資産作りの基本を確実に守ったからです。

 

1.複利効果

複利効果によって大きな運用益を期待できるのも長期投資ならではのメリットです。複利効果とは、運用益を再投資することで利益が増幅していく効果のことです。

 

投資信託では、運用実績に応じて分配金が支払われますが、これを元本に組み入れて再投資すれば、「利益が利益を生む」状態を作り出すことができます。つまり、雪だるま式に増やし続けることができるのです。さらにAさんは20年という長期投資で、複利の効果を大きくしました。計算すると、この複利効果の恩恵は積立投資部分だけでも約400万円になります。このように大きな利回りでなくても、長期の複利効果で安定的に増やしていくことができます。

 

なお、「つみたてNISA」というのがありますが、通常の投資では利益に対して20.315%の税金がかかりますが、つみたてNISAでは複利効果で得られた利益のすべてが非課税になるといったメリットがありますから、積立期間中はこの税金部分も再投資できることから複利の効果をさらにアップさせることができます。

 

2.分散投資

投資信託は価格変動のある商品のためどうしても元本割れになるリスクがあります。分散投資は、複数の商品で運用することで、元本割れのリスクを低く抑えることができます。株式や債券、国内もの・海外ものといったように、投資対象を複数に分散させることでリターンの平準化が望めます。

 

投資信託には「バランスファンド」というものがあり、国内外の株式、債券等に分散投資するもので、この1つのファンドで投資対象の分散ができるので、投資初心者でもチャレンジしやすいファンドです。

 

3.ドルコスト平均法

ドルコスト平均法とは、Aさんのように毎月一定の金額で定期的に購入し続ける方法をいいます。利益を得るためには、購入するタイミングが重要です。

 

たとえば、まとまった資金で一度に購入しようとした時に購入価格が高い時に買ってしまうと得られる利益は小さくなってしまいます。ですから、一定額を毎月購入し続けることで、「安い時には多く買う」「高い時は少なく買う」ことができ、効率的な購入が実現できます。Aさんは、投資期間中、リーマンショックという株価が暴落した時期も積立投資を継続しましたが、これにより「安いときに多く買う」ことができ、その後の収益に繋がった、と考えられます。