未婚化率と高齢化率の上昇により増加している、一人暮らしの高齢者。あえて結婚しないという選択をする人も増え、今後、ますます増えていくと考えられます。一生、悠々自適と羨ましい反面、残酷なリスクに直面する人も。みていきましょう。
楽しないで働け!平均年収680万円「専業主婦世帯」炎上…優遇制度の見直しは進むか? (※写真はイメージです/PIXTA)

自ら就業を抑制する「6つの壁」にも批判が集まる

――楽をしないで働け!

 

さらに批判の的となるのが、扶養でいるための就労調整です。扶養には「税法上の扶養」と「社会保険上の扶養」の2種類があります。

 

「税法上の扶養」に入るには、所得税法で定められた「①6親等内の血族及び3親等内の姻族」「②納税者と生計を一にしていること」「③年間の合計所得金額が48万円以下(収入103万円以下)」といった3つの要件に合致していることが条件となります。

 

そして配偶者が優遇を受けられる「配偶者控除」は、控除対象配偶者がいる場合に適用されます。その要件は、「①納税者本人と生計を一にする配偶者」「②配偶者の年収が103万円以下」「③納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下」の3つ。妻のパート収入が103万円以下であれば、夫は最大で年間38万円の配偶者控除を受けられます。

 

そして妻のパート収入が103万円を超えても、「配偶者特別控除」が受けられる場合があり、その要件は「①納税者本人と生計を一にする配偶者」「②配偶者の年収が103万円を超え201万円以下」「③納税者本人の合計所得金額が1,000万円以下」の3つ。また妻のパート収入が103万円を超えると、配偶者特別控除の適用範囲となりますが、103万〜150万円までは配偶者特別控除が適用され、配偶者控除と同額の控除を受けられます。150万〜201万円までは、配偶者特別控除の額が徐々に減少していきます。

 

続いて「社会保険上の扶養」ですが、健康保険法で定められた被扶養者の要件に合致することが必要で、収入が130万円を超えると、「社会保険上の扶養」から外れます。

 

また2020年の年金制度改正法により、「①企業規模が500人超(ただし令和6年まで段階的に引き下げ)」「②賃金が月額88,000円以上」「③労働時間が週20時間以上」「④勤務期間が2ヵ月超」「⑤学生は除外」の条件を満たす場合、社会保険料の負担が発生します。

 

これらの収入の上限が設けられていることから、「103万円の壁」「106万円の壁」「130万円の壁」「150万円の壁」「201万円の壁」と称され、多くの専業主婦はこの「壁」を意識しながらパートなどをして家計を支えることになります。