消費税率…世界主要国で比べてみると
――防衛費に少子化対策…予算が足りない
昨年末から続く議論。財源は法人税、所得税、たばこ税の増税とされていますが、自民党内でも意見がまとまっていないのでしょう、実施時期は明確には示されていません。ただ「増税」というキーワードが強調され、大きな波紋に。岸田総理への批判に変わっています。さらに政府与党内の一部からは「消費税増税」といった声も。当然、国民からは激しい批判が噴出し、「消費税」という言葉は、いまや触れてはならないデリケートなものになっています。
ただ消費税増税論はいまに始まったことではなく、何度も何度も浮上しては批判の対象となり、「いまだ!」というタイミングで、増税を決断。1989年4月1日に3%で導入されて以来、1997年に5%、2014年に8%、2019年10月には10%(食料品や新聞は軽減税率適用で8%)と段階的に引き上げられてきました。そして論者は「まだまだ税率を上げられる」と、虎視眈々と機会をうかがっています。
――もうこれ以上、消費税の増税は
ストップの声には、たいてい論者は「海外では、もっと消費税が高い。日本はまだ税率を上げられる余地がある」と声を揃えます。確かにOECD(経済協力開発機構)の資料によると、世界主要37ヵ国のうち、もっとも消費税率が高いのは「ハンガリー」で27.0%。続いて25.0%が「デンマーク」「ノルウェー」「スウェーデン」の3ヵ国。10.0%の「日本」は37ヵ国中33位と、世界でも「消費税の安い国」であることに間違いはありません(関連記事:『世界主要国「消費税率」ランキング…<2022年1月時点>』)。
【世界主要国「消費税率」上位5、下位5】
1位「ハンガリー」27.0 %
2位「デンマーク」25.0 %
2位「ノルウェー」25.0 %
2位「スウェーデン」25.0 %
5位「フィンランド」24.0 %
5位「ギリシャ」24.0 %
5位「アイスランド」24.0 %
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33位「オーストラリア」10.0 %
33位「日本」10.0 %
33位「韓国」10.0 %
36位「スイス」7.7 %
37位「カナダ」5.0 %
出所:OECD
※2022年1月時点の標準税率