元通産省官僚・株式会社二十一世紀新社会システム研究所代表である、本田幸雄氏の著書『劇症型地球温暖化の危機 太陽光エネルギー革命で日本を再生する』より一部を抜粋・再編集し、明治以降の「日本企業の発展」について見ていきます。
日本企業は「親会社がいないと発展しづらい」が…極めて珍しい「自力で発展した」ものづくり企業 (※写真はイメージです/PIXTA)

では、「親会社なしの有名企業」はあるのか?

このように親企業が子会社を作るという形でリスクを軽減して作るのが日本の一般的な企業作りでしたが、中には親なし、保護者なしの欧米の発明・創業者型の企業が非常に稀でしたが、あるにはありました。

 

豊田佐吉の会社は明治期の発明家企業の典型でした。豊田佐吉は豊田式木製人力織機(1890年)を手始めに特許を取り、豊田式木製動力織機、豊田式自動織機と発明し、長男の喜一郎になった1925年に自動車第一号車を販売し、今日のトヨタ自動車に発展していきました。

 

このような発明型企業から出発した例は、日本では極めて少なかったのですが、戦前では前述のトヨタ自動車、松下幸之助の松下電器産業、戦後では本田宗一郎の本田技研、井深大のソニー、稲盛和夫の京セラなどが挙げられるでしょう。

 

 

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本田 幸雄

1942年、島根県生まれ。東京大学工学部機械工学科卒業。通産省入省、重工業局、資源エネルギー庁、工業技術院、(文部省出向)長岡技術科学大学教授、通産省機械情報産業局、中国通産局長。

 

通産省退職後、医療福祉研究所、(財)愛知国際博覧会協会などを経て、現在、(株)二十一世紀新社会システム研究所代表。

 

著書に『21世紀の社会システム』、『水田ハ地球ヲ救ウ』、『ベンチャービジネス成功への決定的条件』、『西暦2000年への選択』(監訳)、『地球白書』(監訳)、『21世紀地球システムの創造』(共著)など。