市場が冷え込んでいる時期は「どんな株でも買い」ではない
しかし、いくらそういう時期であっても、どんな株を買っても儲かるというわけではありません。
たとえば、そういう時期に業績が伸び悩んでいたり株主へのリターンが少ない「ダメな会社」の株が低調であっても、それは、それ相応なだけです。もしかしたら実態以上に割高である可能性もあり、より下がる余地があるかもしれません。また、そういった会社は、その後に市場全体が上昇基調になってきても、他社に比べてその上昇幅が小さくなる可能性もあります。
一方で、市場全体が冷え込んでいる時期に、業績が安定していたり配当性向が高かったりするような「いい会社」がその実態以上に割安になっているならば、それはやはり「買い時」といえます。そしてそういう会社は、そういう時期でも好業績を続けて株価が順調に上がるかもしれませんし、市場全体が上昇基調になれば、より大きく伸びるでしょう。
ただし、もしそういう時期に“いい株”を買ったとしても、その株価が上昇するまでに結果として何年も時間がかかる場合もあります。
ですから、高配当利回りの株を買っておくのもひとつの手でしょう。株価上昇までに時間がかかることへの備えとして、その間は高い利回りでの配当収入を狙うのです。
また、こういった「チャンスの時期」に株を買うために、株価が過熱している時期に売っておくなどして、現金を用意しておくことをおすすめします。
以上のように、市場全体が冷え込んでいる時期というのは基本的に「買い時」です。しかしどんな株でもよいというわけではなく、銘柄選定や株価には、注意を払う必要があります。
株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO
川合 一啓