不治の病「心房頻拍」に苦しむ50代女性を“わずか1秒”で救った驚きの治療【専門医が解説】

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不治の病「心房頻拍」に苦しむ50代女性を“わずか1秒”で救った驚きの治療【専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

現代の日本では、高齢化と並行して不整脈の患者数も増加しています。そんな不整脈を根治する唯一の方法が「カテーテルアブレーション治療」ですが、その技術も時とともにめざましい進化を遂げています。今回は、東京ハートリズムクリニックの桑原大志院長が、「心房頻拍(しんぼうひんぱく)」に苦しんでいた50代女性の事例を紹介します。

医療技術の進歩…“8年越しの宿題”がわずか1秒で完治

最初の治療から、8年以上の月日が流れました。カルトシステムの技術の進歩はめざましく、そのころには不整脈起源同定のための解像度が飛躍的に向上し、さらに、「カルトサウンド(心腔内エコー)」という新しいテクノロジーが開発されていました。

 

カルトサウンドを使用することで、心筋の厚さや、その向こうになにがあるかもつぶさにわかります。さらに「コンタクトフォース」という機器を使用すれば、どの程度の深さまで焼灼できるかも、はっきりわかるようになりました。

 

変わらず不整脈に悩まされ続けていたCさん。筆者は、「カルトシステムを使えば不整脈を治せるかもしれない」と望みをかけ、「もう1度、治療をしましょう」と提案してみました。

 

Cさんにとって、3回目のカテーテルアブレーションです。治療を始めると、8年前に推察したとおり、心房頻拍起源はもっとも厚い心房中隔のなかにあることがわかりました。

 

しかしよく観察してみると、カルトサウンドはその起源の奥にある空間を指し示しています。その奥にあったものは、なんと大動脈でした。心房頻拍起源にもっとも近い場所は心房そのものではなく、心房とは関係のない大動脈だったのです。

 

カテーテルを静かに大動脈基部まで押し進めると、カテーテルの先端は大動脈の壁に当たりましたが、その壁を挟んだすぐとなりに、心房頻拍起源が存在します。カテーテルの先端から通電を始めると、わずか1秒後に心房頻拍は停止しました。

 

前回の治療では、合計数十分、最大出力で焼き続けてもまったく止まらなかった不整脈が、わずか1秒で停止したのです。

 

術後3ヵ月も再発なし…医療の進歩で「治らない」は覆せる

手術が終了して3ヵ月経ちました。手術以降、彼女の不整脈発作は出現せず、「久しぶりに自宅近くの海岸を走ることができた」という報告をいただきました。筆者としては、約8年前にやり残した宿題をやっとやり終えた気分でした。

 

アブレーションの技術は、めざましいスピードで進化しています。「いまは治らない」といわれた不整脈も、時とともに治る可能性があります。患者、医者ともに諦めず、強い信頼関係のもとで2人3脚で治療することが重要です。

 

また1人の医師として、常に最新技術をキャッチアップすることの必要性を強く実感しています。

 

 

桑原 大志

東京ハートリズムクリニック

院長

 

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