不整脈の40代女性「成功率97%の手術」を2度失敗された結果【専門医が解説】

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不整脈の40代女性「成功率97%の手術」を2度失敗された結果【専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

日本では高齢化と並行して不整脈の患者数も増加しており、不整脈の種類の1つである「心房細動」の患者数だけでも100万人を超えるとされています。そんな不整脈を根治する唯一の方法が「カテーテルアブレーション治療」です。これまでおよそ1万人の不整脈患者を診察してきた東京ハートリズムクリニックの桑原大志院長が、不整脈を患った40代女性Aさんの事例からセカンドオピニオンの重要性を解説します。

セカンドオピニオンの結果…不整脈は「根治」

エプシュタイン奇形に合併する不整脈に遭遇する機会はまれですが、筆者は過去に複数人のエプシュタイン奇形の患者さんを治療し、成功した経験がありました。そのため、上記のお話を聞いたうえで、カテーテルアブレーションを行うことを提案しました。

 

Aさんの場合、心臓の外側を通る副伝道路は全部で3つありました。

 

難しい手術ではありましたが想定内だったため、無事カテーテルアブレーションにより、その3つをすべて焼灼。不整脈は治り、Aさんが長年付き合った生まれつきのWPW症候群も治癒することに成功しました。

 

Aさんは、「術後は本当に成功したのか何日間か半信半疑でしたが、1ヵ月後検診を行ったところ、心電図に問題無し! 生まれて初めて問題無しの心電図が取れました」と喜んでいらっしゃいました。

 

大病院で「外科手術か、一生発作と付き合うかしかない」と断言されたにも関わらず、こうした喜びを手にすることができたのは、Aさんが決して治療をあきらめず、一生懸命情報を収集されたからです。

 

「治らない」といわれても諦めないで

他の病院で「治らない」と診断されても諦めることはありません。根気よくセカンドオピニオンやサードオピニオンを求めることで、必ず道は開けてきます。

 

不整脈の治療は、医師によって考え方が異なることもありますし、病院によって備えている環境も異なります。1ヵ所で「治らない」と断言されても決して諦めず、ご自分にしっかり寄り添ってくれる医師を探すことが大切です。

 

Aさんは、「カテーテルアブレーション治療を行うことによって、いつ発作が起きるかわからない」という不安から解放され、人生に積極的になったとおっしゃっていました。そうした前向きな心を取り戻すためにも、諦めないことが重要だと感じます。

 

 

桑原 大志

東京ハートリズムクリニック

院長
 

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