今後数年間は厳しい状況が続く見込み
「不動産部門は2023年に向けて厳しい状況が続くとみられている。国内における特定の立地では明らかに供給過剰となっているため、多くの市場修正が必要だ」とクアラルンプールの開発業者は述べた。
投資持株会社であるマレーシアン・リソーセスのマネージング・ディレクター、モハド・イムラン・モハメド・サリム氏は、「インフレ、金利上昇、生産の遅れ、労働力不足、コスト上昇や、生産性低下をもたらすサプライチェーンの問題など、不動産市場におけるこれまでのパンデミックの影響は非常に明白である」と述べた。
さらにモハメド氏は、「特に2020年と2021年に実施された移動規制令(MCO)とロックダウンは、不動産販売に大きな影響を与えた」と、マレーシア格付け会社MARC360の木曜日のウェビナー「不動産の見通し2023」というテーマでの議論の際に語った。
「今後数年間は厳しい状況が続くだろう。しかし、いま注目すべきは、業界のプレーヤーたちがビジネスの基本をしっかりと見据えていることだ。デベロッパーたちは今、どのような商品を打ち出すかを検討しながら、コストを低く抑えることに集中している」とモハメド氏は話した。
モハメド氏はさらに、「国内の特定の分野や立地では、明らかに不動産の供給過剰が起こっているため、業界は製品を発売する手段や方法について再検討している」と述べた。
「このため、デベロッパーたちは、販売やプロモーションのために革新的な方法を打ち出したり、ある不動産部門から別の部門への移行を拡大したりせざるをえないことになるだろう。
例えば、多くのデベロッパーは、住宅開発から産業開発へと移行したり、ニッチな商業開発に集中させているところもある。他にも、投資家や不動産購入者が既存のストックを手に入れられるように、あらゆる提案をしているデベロッパーもいる」(モハメド氏)
一方で、不動産購入に最適な時期でもある
モハメド氏はまた、「不動産部門は、多くの革新的なサービス提供に加えて、業界全体の売買におけるサイクルが効率化されており、消費者にとって今は不動産を購入する非常に良い時期でもある」と指摘した。同氏は、「新しい開発が計画されているため、市場は間違いなく資材と労働コストの上昇を見るだろう」と述べた。
また、現在の価格問題のミスマッチについて、「不動産業界におけるより効率的な慣行の浸透を行い、将来的にはより柔軟に対応できるような政策が必要である」とモハメド氏は述べた。
「“長期的に”需要が落ち込むとは考えていない。しかし、資金調達へのアクセスについては、該当の政策が改善されることを期待している。
資金調達における課題は常にあり、住宅を購入したい人はたくさんいるが、資金アクセスが困難であることは非常に残念なことだ」と付け加えた。