会社の有力株としていち早く出世を果たし、高給を手にする会社員。このような人たちは「子どものために」を理由に、教育費が高額になりがち。知らず知らずに破綻のフラグが立っていることも珍しくありません。みていきましょう。
手取り45万円・30代後半で大企業の部長…20年後、エリート会社員を破綻に追い込む、子どもの「教育費総額」 (※写真はイメージです/PIXTA)

質の高い教育に、高い学費……高給取りだけの特権

人生の三大出費といえば、保険、マイホーム、そして子どもの教育費。子どもに対しては、その将来に関わることですし、何よりもかわいい我が子のため、自分(親)たちのお金を削ってでも……そんな人も多いのではないでしょうか。

 

当然、高収入ほど、子どもの教育に熱もお金もかける傾向にあります。文部科学省『子供の学習費調査(平成30年度)』によると、年間学習費総額(学費のほか、家庭内学習費などの学校外活動費の総額)は、公立幼稚園で22万3,647円、私立幼稚園で52万7,916円、公立小学校で6万3,102円、私立小学校で159万8,691円、公立中学校で48万8,397円、私立中学校で140万6,433円、公立高校で45万7,380円、私立高校で96万9,911円です。

 

さらに大学は文部科学省『国立大学等の授業料その他の費用に関する省令』、『私立大学等の令和元年度入学者に係る学生納付金等調査』でその学費を見ていくと、初年度、国立大学の納付金は81万7800円、私立大学は文系で117万2582円、理系で154万9688円。

 

仮に幼稚園から私立に通い、大学も私立大学を選んだとしたら、総額2,200万円ほどになる計算です(幼稚園は3年保育、私立文系大学に通った場合)。そしてこれが子ども1人にかかる金額。2人であれば、4,000万円を超え、3人であれば6,000万円を超えます。それが、20年ほどの時間をかけてかかる総額。「計算してみたら、すごいお金だった!」というのが子どもの教育費です。

 

また親が高給取りほど、幼稚園から高校までは私立志向が強まります。公立、私立、それぞれの年収1,000万円世帯の割合をみていくと、幼稚園では公立6.7%に対し私立18.2%、小学校では公立14.2%に対し私立64.6%、中学校では公立15.6%に対して私立52.3%、高校では公立13.9%に対し私立26.5%。

 

「なぜ、学費の高い私立学校に通わせるのか」と問われれば、「質の高い教育を受けさせたいので」というのがお決まりの返し文句。質の高い教育に、高い学費……高給取りだけの特権、といったところでしょうか。