FXには誰が参加しているのか?
FX(外国為替取引)をしているのは、個人トレーダーだけではありません。外貨の両替機能をもつFXは、貿易企業や証券会社のディーラーなど、多くの投資家たちが常日頃からチェックしています。人々からお金を預かり、仕事の一環としてトレードをしている人たちは、相場から利益を得るためにエントリーの機会を探しています。常に利益をあげることをもとめられている企業トレーダーと異なり、自分の判断でトレードできる個人トレーダーは、大変有利でストレスフリーな環境にいるといえるでしょう。今回は、個人トレーダーの強みを深堀りしていきます。
個人トレーダーの強みを完全に理解するためには、まずFXに参入する参加者を把握する必要があります。株式投資のように企業が発行する株式を買い集める行為とは異なり、FXは国と国の通貨を交換することが主要な取引です。したがって、FXではポジションを持った場合、どこかのタイミングで精算する必要があります。この原則は、個人投資家でも企業の為替担当者でも変わりません。
両替をすることが目的であるFXは、個人トレーダーのように為替差益を追い求めている人だけでなく、外国通貨建で稼いだ資金を日本円に両替する人や、海外の商品を買うために日本円を外国通貨に両替する人など、さまざまな目的を持った人がいます。FXで稼いでいくためには、このような相場参加者の心理を上手く読み取っていくことがテクニカル分析と同じくらい重要になります。
個人トレーダーと大口トレーダーの違い
次は、個人トレーダーと為替ディーラー(大口トレーダー)の違いを詳しく解説していきます。為替ディーラーとは、自社の資金や顧客からお金を預かって資産運用をする人のことを指します。それに対し、個人トレーダーとは自分のお金を自分の判断で運用する人のことを指します。
為替ディーラーは顧客の資産を増やすことを使命としているので、常に結果を問われる状況にいます。顧客の資産を減らしてしまうとディーラーとしての存在価値を問われてしまうため、為替ディーラーは常にチャートの状況やさまざまな情報を確認して、ひとつでも多くの取引機会を得ようと努力しています。
大口トレーダーと個人トレーダーの強みと弱み
大口トレーナーの強みと弱み
まず、大口トレーダーの強みと弱みを解説します。強みは、莫大な資産金力で為替市場に大きな影響をもたらすことができることです。顧客から資産金を預かる為替ディーラーは、運用する資産が個人トレーダーの数十倍から数百倍ということも少なくありません。
そのため、ひとつのトレードが為替市場に大きな影響を与えることが多くあります。大きな相場の転換点で、チャートが一方向に大きく伸びる要因の多くは大口トレーダーにあります。押し目を与えないチャートは、大口トレーダーのような資金力のあるトレーダーが、次々に一方向へのポジションを積み上げることで個人トレーダーの損切りを巻き込みます。その結果、押し目の与えない強い一方向への値動きが生じるのです。
大口トレーダーの弱みは、常に結果が問われているということです。顧客の資金を預かってトレードしているので、当然資産を増やすことをもとめられます。このため、為替ディーラーは常にトレードを通して収益を積み重ねようとしています。為替相場は、8割の時間がレンジ相場といわれています。
FXで高い収益を上げることができる時間帯は、トレンドが生じている相場です。トレンドにさえ乗れていれば、高確率でプラス収益を収めることができます。しかし、為替ディーラーは顧客の資産を増やさなければいけないため、収益性が低く、相場自体の難易度が高いレンジ相場の時間でも取引することがあります。常に顧客からのプレッシャーに付きまとわれることが大口トレーダーの弱みといえるでしょう。