大きなトレンドに乗り遅れた…初心者トレーダーとプロ、それぞれの思考
トレード初心者のころは、プロトレーダーが100戦錬磨の成績を残していると考える人が多いでしょう。しかし、実際のプロトレーダーの勝率は60%程度と言われています。勝率だけをみると初心者トレーダーとそれほど大きな違いはありません。しかし初心者トレーダーと異なり、プロトレーダーは安定して収益を上げています。勝率が60%を下回っていてもプロトレーダーが高い収益を上げる理由はなんでしょうか?
半年に1度しかないような大きなトレンドに乗り遅れたとき、あなたならどのような感情に陥りますか? 「早く追いつかなきゃ」、「このトレンドを逃すわけにはいかない」などと思うようであれば、まだまだFX初心者マインドから卒業できていないかもしれません。
まず「乗り遅れたからチャートを見るのをやめよう」、「とりあえず様子をみながら対応するか」、という思考がやってくるようであれば、プロトレーダーとしての道が拓きかけています。
このように、自分が大きなチャンスを逃すかもしれない場面で、初心者とプロの思考はハッキリと異なります。初心者トレーダーは、大きなトレンドを逃した場面で、乗り遅れるまいと無理なトレードをしてしまうことが少なくありません。無理な高値掴みは、大きなトレンドであれば勝つケースもありますが、多くの場合、相場の急変に対応できず損を招いてしまいます。
初心者トレーダーに不足する「見逃す勇気」とは?
なかなか収益を上げられない初心者トレーダーには、大きなトレンドでも地合いが悪いときに、「トレードを見逃す勇気」が備わっていません。「相場がチャンスを迎えたときはなんとしてでもトレードしなければいけない」というマインドが、初心者トレーダーの収益を大きく減らしています。高い勝率にもかかわらずなかなか収益を増やせない人は、「機会損失を許さない」というマインドがどこかに潜んでいるのでしょう。
しかし、24時間動き続けている為替市場で100%チャンスを逃さない投資をすることは不可能です。この事実をしっかりとわきまえているプロトレーダーには、心のゆとりがあります。「ここを逃してもまた次のチャンスで乗ればいい」という思考で機会損失を受け入れれば、たとえトータルの勝率が悪くても大きく負けることが少なく、安定した収益を得ることができます。
初心者トレーダーに小さく積み上げて大きく損失を出してしまう「コツコツドカン」が多いのは、チャンスを見逃す勇気が備わっていないことに原因があるのです。