プロトレーダーの勝率は60%程度と、意外にも高くありません。初心者トレーダーと勝率にはそれほどの違いがないにもかかわらず、プロが収益を上げられるのはなぜなのでしょうか? プロと初心者の違いをみていきます。
勝率はどちらも60%でも…FXで安定して収益を「上げるプロ」と「上げられない初心者」の決定的な差 ※画像はイメージです/PIXTA

FXを続けていれば100%訪れる…プロが見つめる「次のチャンス」

FXを続けていれば、歴史的な経済イベントを何度も経験することでしょう。このようなイベントは、相場に大きなチャンスを与え、反対に失望も与えます。このチャンスや失望が大きければ大きいほど値幅が大きくなり、得られる収益も大きくなります。

 

プロが無理にトレンドに乗ろうとしない理由は、FXを続けていればいずれ再び大きなトレンドが訪れることを知っているからです。プロトレーダーは、次に来る大きなトレンドに乗れれば問題ないという心の余裕で、収益の安定を手に入れています。

 

初心者トレーダーによる、「すべてのチャンスを100%つかみに行くことこそがプロトレーダーの宿命だ」という勘違いが、初心者トレーダーの無理なトレードの原因になっています。日常生活と一緒で、相場でも張り詰めた力を抜くポイントを作っておかなければなりません。FXの世界でも、「急がば回れ」なのです。

 

まとめ

冒頭から述べてきたとおり、機会損失に対する考え方がFX初心者トレーダーとプロトレーダーでは大きく異なります。チャンスを見逃して次のチャンスを待つという行動は、一見非合理的な行動に思えるでしょう。

 

しかし、長期的にみるとこれは「損を最小限にして利益を大きく取る行動」といえます。投資で継続して収益を上げていくためには「大きな損をしないこと」がもっとも重要です。損切りに対してよりシビアな姿勢を取ると、機会損失を恐れて無理にトレードする姿勢が愚かな行動に見えてくるのではないでしょうか。日々のトレードのなかでチャンスを見逃す勇気を鍛えることは非常に難しいことですが、これから長期的にFXで資産を築いていくためには、こうした力を鍛えなければなりません。

 

「目の前のチャンスを逃すわけにはいかない」という機会損失を回避するような行動は人間本来の本能です。FX初心者は、自分がトレンドに乗れていないことに対して憤りを感じてしまう傾向がありますが、次のチャンスを狙うためのステップであるとプラスに捉える習慣をつけるべきでしょう。そうすれば、トレードを続けていくうちにプロトレーダーとしての心のゆとりが生まれ、収益も安定してプラスに持っていくことができるはずです。

 

 

清水 一喜

株式会社ソーシャルインベストメント 執行役員