ライフプランを考えるうえで欠かせない、「子どもの教育費」。その資金繰りに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。今回は、FP Officeの石井悠己也氏が子ども教育資金についてシミュレーション。そのうえで、もっとも効果的な積立方法について考察します。
ピーク時には年間500万円超…わが子の「教育資金」シミュレーション【FPが解説】 (※写真はイメージです/PIXTA)

収益を重視するとリスクが大きい…回避のポイントは?

教育資金準備には「つみたてNISA」が有効か

積立期間が18年の長期投資となると、つみたてNISAが期間的にもしっくりくるのかなという感じです。つみたてNISAの場合、どの投資信託で運用するかが重要ですが、長くなるためその部分は割愛します。

 

外貨建ての生命保険を学資として利用するというパターンも、最近ではポピュラーな手法です。

 

いずれにせよ、学資として取り崩しを想定したタイミングで急な円高や株式の暴落などのリスクは考慮する必要があります。

 

収益性の高い外貨建て保険や投資信託を利用するか、安心感のある預貯金で用意するか、なかなか悩ましい問題ではありますが、リスクに関しては内容をよく理解すれば回避することは可能です。

 

リスクについて少し考えてみましょう。

 

リスク回避のポイントは万が一のための「手元の資金」

たとえば、外貨で積み立てた場合、取り崩すタイミングで円高になると資産価値は目減りします。※株式も同様に取り崩しのタイミングで暴落すると資産価値は目減りします。

 

学資を想定したタイミングでこのような状況に陥った場合は、状況が落ち着くまで取り崩しを控え、そのかわりに手元の資金で賄う必要が出てきます。

 

この、手元の資金で賄えるかどうかがリスクを回避するためのポイントになります。

 

収益性が高いからと、本来手元に置いておく必要のある資金まで投資に回してしまうと、このリスク回避を行うことができず円高のタイミングで外貨を取り崩すというような状況に陥ってしまいますので注意してください。

 

まとめ

積み立てた資産が目減りしたタイミングでの取り崩しを避けるためには、手元の資金も重要になってきます。大切なのは家計全体での資産のバランス(現金、債券、外貨、株式資産等)です。

 

適正なバランスは各家庭の収入や支出の状況で違いがあるため、「これがベスト!」だと一概にはいえませんが、収益性の高い投資を行いつつ、リスクは回避できるこのような状態を目指しましょう。

 

教育資金について、これからかかるお金のことを考えると、頭が痛くなる方も多くいらっしゃるかと思います。

 

しかし、冒頭でも述べましたが「教育とはお子様に残してあげられる最大の財産」ともいわれます。教育で得た知識や教養などは一生モノですし、誰かに取られることもなく、知識は人に分け与えることができます。今回はあえて触れませんでしたが、行政の補助や教育ローンなども、状況によっては選択肢となります。

 

教育にかかるお金は決して小さくはありませんが、準備期間をしっかり有効活用し、来るべき出費に備えるために、我々FPという職業を活用していただければ幸いです。

 

 

石井 悠己也

FP Office

ファイナンシャルプランナー