原則、65歳から受給が開始される公的年金。ただその制度は複雑で、「全然理解できない!」という人も多いようです。そのため、少し考えれば分かりそうなことでも「知らなかった……」というケースも多いようです。みていきましょう。
年金月17万円のはずが…65歳・元会社員「年金振込通知書」で気づいた、腹が立つが「当たり前すぎること」 (※写真はイメージです/PIXTA)

複雑な年金制度…考えれば「当たり前」のことが知られていない

さまざまな制度があり、少々複雑な公的年金。だからなのか、ちょっと考えれば分かりそうなことでも、誤解していることもいろいろ。

 

——いつまでたっても、年金がもらえない

 

意外と多い、そんな声。年金はある年齢に達すると、受け取る権利が発生しますが、自動的に支給が始まるものではありません。「お届け物でーす」と届くわけではないのです。

 

受給権のある人であれば、受給開始年齢に到達する3ヵ月前に、年金を受け取るために必要な「年金請求書」が送られてきます。必要事項を記入し、受給開始年齢の誕生日の前日以降に、添付書類とともに年金事務所に提出。その約1~2ヵ月後に「年金証書・年金決定通知書」が送られてきて、さらに1~2ヵ月後に、年金振込通知書・年金支払通知書または年金送金通知書が送られ、年金の受け取りがスタート。原則、偶数月の15日に前月および前々月の年金が振り込まれます。

 

さらに

 

——あれ、思っていたよりも年金が少ない

 

という声も多く聞かれます。その多くが、年金収入は雑所得であり、課税対象であることを知らないことで起きています。「えっ、年金にも税金がかかるの?」と憤慨する人もいるでしょう。確かに老後生活の原資となる年金にまで税金を課さなくても……という言い分もわかります。しかし課税対象となっている以上、給与のように額面と手取り額に差があるのは、仕方がありません。

 

原則として、年1回(6月)に送られてくる「年金振込通知書」には、「介護保険料額」「後期高齢者医療保険料または国民健康保険料」「所得税額および復興特別所得税額」「個人住民税額」とともに、「年金支払額=1回に支払われる控除前年金額」と「控除後の振込額」が記されています。これをみれば、年金から何に何円引かれているかが一目瞭然、というわけです。

 

収入が限られる老後。その生活を支える年金は、たとえ少ない誤差でも致命的。年金月17万円だと思っていたのに、実際に振り込まれるのは月15.4万円程度。この金額をベースにプランニングしていかないと、破産は確実。知らなかった……ではすまされないのです。