30年で大きく進化…不整脈に効果的な薬の「新常識」【専門医が解説】

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30年で大きく進化…不整脈に効果的な薬の「新常識」【専門医が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

不整脈と診断されたとき、まず選択肢のひとつとなる薬物療法。不整脈に対する薬物療法はこの30年間で大きく進化し、さまざまな新薬が開発されています。しかし、具体的な病名や症状によって正しく薬を使い分けなければ、思わぬ副作用に悩まされたり、最悪命が危険にさらされることも……。今回は、患者自身も知っておきたい不整脈に効果的な薬とその選び方について、東京ハートリズムクリニックの桑原大志院長が解説します。

効き目は強いが副作用も大きい「抗不整脈薬」

Bの不整脈を起こさないようにする「抗不整脈薬」は、具体的には

 

・ピルジカイニド
・フレカイニド
・プロパフェノン
・シベンゾリン
・ベプリジル
・アミオダロン

 

などたくさんの種類があり、いずれも副作用が起きる可能性があります。

 

しかも、心室頻拍や心室細動、心停止など、不整脈よりもずっと重症で命のリスクがある副作用ばかり。つまり、治療対象となる不整脈よりも、もっと怖い病気を招きかねないということです。

 

そのことを明らかにした代表的な試験が、1991年に行われた「CAST試験」です。研究の背景には、「患者の心筋梗塞後の死亡原因に、心室性不整脈による不整脈死が多い」という事実がありました。

 

そこで、「心室性期外収縮や心室頻拍を抗不整脈薬で治療すれば、不整脈による死亡を予防することができるのではないか」という仮説が立てられ、研究が行われました。

 

その結果、心筋梗塞後の不整脈患者に抗不整脈薬を投与するのは、かえって死亡率を高めることにつながるということが分かり、最近では、抗不整脈薬は積極的に使われなくなりました。

 

間質性肺炎を引き起こすリスクも

もうひとつ、抗不整脈の副作用についてお話しておきましょう。現在、抗不整脈のなかで効力が最大と言われている薬が「アミオダロン」です。

 

これは心機能の抑制効果が少ないので、心臓に副作用を起こすリスクが非常に低いとされています。しかし、その反面、3%の割合で間質性肺炎を起こすことがわかっています。

 

[図表2]「アミオダロン」を服用して、間質性肺炎を引き起こした不整脈患者のレントゲン写真。右写真は白がかっている 提供:東京ハートリズムクリニック
[図表2]「アミオダロン」を服用して、間質性肺炎を引き起こした不整脈患者のレントゲン写真。右写真は白がかっている
提供:東京ハートリズムクリニック

 

このように、抗不整脈の薬は心室頻拍や心室細動、心停止など重大な副作用を招くリスクがあることから、通常は、定期内服ではなく、「Pill in the pocket」といって、常に薬を持ち歩き、発作が起きたときに服用するスタイルが推奨されています。

 

しかし、未だ頻脈性不整脈に対する内服薬として、これらの抗不整脈薬を安易に処方するケースが少なくありません。これは、非常に危険なことです。

 

もし現在、頻脈性不整脈の治療として薬を内服している場合には、ご自分がどのような薬を服用しているのか、今一度、確認してみることをおすすめします。

 

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