中高年の約1%…実は身近な「むずむず脚症候群」
「むずむず脚症候群」とは奇妙な名前の疾患ですが、英語では“Restless legs syndrome”といいます。中高年のおよそ1%に発症するといわれています。
発症すると、下肢の不快な感覚により脚を動かさずにはいられない強い欲求が生まれます。「むずむず脚症候群」と名前がついていますがその感覚は必ずしも「むずむず」ではなく、皮下に虫が這うような感覚や、なんとも言い難い不快感があり、ときには痛みに近い感覚であることもあります。また上肢にも異常感覚を伴うことがありますが、“上肢のみ“に症状が出ることはあまりありません。
静かに横になったり座ったりしている状態で出現し、「座ったまま動かない」など安静になるほど症状はより強くなり、不快な感覚が強くなる患者さまが多いです。
この「むずむず脚症候群」は、歩いたり下肢を伸ばしたりするなど運動することで改善しますが、歩いているうちは少しの時間不快感覚から解放されるものの、止まるとまたすぐ再発するといったことを繰り返します。不快な感覚を取り除くために脚を常に動かしたくなります。
また、「むずむず」の感覚は日中より夕方・夜間に増強し、悪化します。症状のピークは真夜中で、朝の遅い時間は気にならないことが多いです。
「むずむず脚症候群」の原因…気づかぬままQOLが低下しているケースも
「むずむず脚症候群」の患者さまにははっきりした原因がないことが多いですが、なかにはパーキンソン病や透析、妊娠、リウマチ性疾患、糖尿病などの原因から発症される患者さまもおります。
特に鉄欠乏や妊娠、透析の患者さまに発症する頻度が高いものの、現疾患に隠れてあまり注目されないことが多く、気づけぬまま生活の質が低下しているケースがあります。
“むずむず脚”の治療には「飲み薬」が効果的
むずむず脚症候群には原因と状態に応じて治療法があります。効果は患者さまによっていくぶん異なりますが、飲み薬(時に貼り薬)がとても効果があることも多く、ある程度は治療可能な疾患です。
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