上がらない給与に減る年金……老後不安が高まる現役世代にとっていまや「資産形成」は必須といえます。しかし、代表的な投資対象である株式について「ギャンブルみたい」「頭がいい人だけが得をする」といったネガティブなイメージを持つ現役世代も少なくありません。そこで、タレントとして活躍しながら投資家・実業家の顔も持つ杉原杏璃氏が、自ら実感した「株式投資」のメリットを解説します。
値上がり益だけじゃない!タレント・杉原杏璃が実感した「株を買う」ことのメリット (※写真はイメージです/PIXTA)

株式投資の利益は、値上がり益、配当金、株主優待など

安く買って高く売る。これはすべての商売の基本です。もちろん株式投資の利益もこれで成り立っています。

 

でも、株式投資の利益はそれだけではありません。先程も書きましたが、株式投資は企業に対する出資でもあります。株主が持株数(出資額)に応じて受け取る、配当や株主優待という利益です。株主である限り(株を売らない限り)受け取ることができます。株価の値上がり益、配当金、株主優待などを1年で見たものを「利回り」といいます。

 

この株主優待専門に投資をしている人もいます。優待名人の桐谷広人さんもその1人で、株主優待生活はテレビ(『月曜から夜ふかし』)でも紹介されていますよね。

 

株主優待は、株主に対して自社の理解促進や自社製品の紹介を目的としたサービスです。鉄道会社では乗車券や株主優待割引券、エンターテイメント会社ではテーマパークパスポートや映画鑑賞券、食品メーカーは自社製品の詰め合わせ、アパレルでは割引券、流通小売会社では購入時のキャッシュバックサービスや専用ラウンジ利用資格など。

 

身近な会社はメリットも大きいです。よく金券ショップなどで株主優待券が売られています。使うタイミングがない場合は転売してお金にしている人もいるようです。

 

配当については1年間でいくらくらいあったかを示すのが「配当利回り」といいます。投資した金額について1年間の総利益は何%になったかを、銀行の定期預金の利息などと比較してみてください。株式投資のリスクとリターンの醍醐味が感じられると思います。

 

配当金と株主優待は継続して受け取ることができる利益です。お金に換算すると利回りが15%以上になることもあります。この配当や株主優待は企業側が決めるので、業績が芳しくない場合、また利益を設備投資などに回したいと企業が決めた場合などは、無配当や株主優待の改悪という可能性もあります。

 

無配当が続き、株主優待のメリットも減ってくると、投資家側はこのまま株を保有しても利益が上がらないと判断し、売却に進むことになります。このように株を売却する人が増えると、需要と供給のバランスにより株価が下落し、ますます価値が下がってしまうのです。これらを見極めて、株の売買をしていかなければなりません。

 

株価が下がるリスクは必ずあります。ですから1社だけに投資するのではなく、さらに1、2社でも複数の企業の株に分散投資したほうが、リスク回避の可能性があります。

 

また、私のようにあらかじめ決めた%の利益分が出たら、売却して利益確定を心がけましょう。前にも書きましたが、株価が上がり続けている時に、利益確定の判断をするのは勇気がいります。人間はどうしても欲が出てしまいますからね。

 

 

杉原 杏璃

投資家/タレント/実業家