新築マンションの価格は上がり続け、東京都の年収倍率はおよそ15倍。価格を引き上げているといわれているのが高額のタワマンですが、その購入者はパワーカップルといわれる普通の会社員夫婦だというから驚きです。まさに一般層のなかの勝ち組といわれる彼らですが、「ローンが払えなくなるかも」と恐れていることがあるとか。みていきましょう。
「1億円の新築タワマン」を買った「年収2,000万円のパワーカップル」でも…いつか来る非常事態に戦々恐々 (※写真はイメージです/PIXTA)

金利が0.5%あがったら…住宅ローン返済はどうなるのか?

そんなタワマンを購入するパワーカップルが心配しているのが、金利の上昇。アメリカでは短期間に大きく金利が上昇しましたが、日本でもそろそろ金利引き上げが行われるだろうという予測もあり、その動向に注目が集まっているのです。

 

金利上昇のインパクトとは、どれほどのものなのでしょうか。「世帯年収2,000万円のパワーカップル」が「1億円・30年返済の住宅ローン」を利用してタワマンを買った場合で考えてみましょう。

 

返済方式は元利均等で、まずは金利0.5%だとすると、利息分は770万8,045円。毎月の返済額は29万9,189円。平均的な返済比率(年収に占めるローンの年間返済額の割合)は20%程度なので、年収1,800万円程度であれば、それほど負担感も覚えてない返済プランだといえます。

 

0.5%金利が、0.5%あがり1%になったとしたら、月々の返済は32万1,639円と2万2,450円の負担増となります。さらに金利が「2%」なら36万9,619円、「3%」で42万1,604円、「4%」で47万7,415円、「5%」で53万6,821円、「6%」で59万9,550円、「7%」で66万5,302円、「8%」で73万3,764円……恐ろしいほど返済額が増えていきます。

 

返済比率20%を維持するなら金利2%程度が上限。返済比率の上限といわれている35%でも、金利6%になったらアウトです。

 

日本でも固定金利の引き上げが話題になっていますが、変動金利は金融機関間の競争も激しく、そうそう金利が引き上げられることはないだろう、というのが大方の見方。金利上昇をうたう論者は少数派です。

 

ただ久しく「金利が上昇する」ということに疎くなっている日本人。金利上昇の備えに不十分な人がほとんどでしょう。それは世間から羨望の眼差しでみられる、タワマン購入のパワーカップルも同じ。いつまでも超低金利という状況が続くとは考えられません。多少の金利引き上げがあると考えるのが普通だといえます。少しの金利上昇でローン返済が苦しくなることは確かなので、常に万が一のことは考えておきたいものです。