東京で暮らす単身高齢者の14%「相談相手がいません…」
東京都が社会福祉や保健・医療施策推進の基本資料とするために行っている『福祉保健基礎調査』。福祉ニーズの高いテーマを選定して行っていますが、2020年度は『高齢者の生活実態』について調査を行いました。それによると、「1人暮らしの高齢者」は22.2%、「配偶者と2人暮らし」が31.4%と、高齢者のみの世帯は57.0%を占めました。都内の高齢者の人口はおよそ320万人といわれているので、いわゆる独居老人といわれる人が71万人ほどいる計算です。
1人暮らしの高齢者の割合、1980年11.1%→1985年12.4%→1990年14.8%→1995年15.4%→2000年17.6%→2005年18.8%→2010年18.9%→2015年21.4%→2020年22.2%、と右肩上がり。2015年に20%を超え、東京都において高齢者の5人に1人が1人暮らしになりましたが、早々に高齢者4人に1人が1人暮らし、という時代になりそうです。
家族との関係をみていくと、1人暮らしの高齢者の場合、26.2%が自宅の隣、または10分程度以内に家族が住み、30分まで広がると、5割を超えます。一方、2時間以上が15.3%、およそ10万人の高齢者が万が一の際にすぐに駆けつけることのできない距離感で暮らしています。
健康状態についてみていきましょう。1人暮らしの高齢者で「健康状態が良い(「よい」と「まあよい」の合計)」という回答は30.2%。一方で「健康状態は良くない(「あまりよくない」「よくない」の合計)」が19.3%。そして心配や悩みに関しても、1人暮らしの高齢者の56.4%と過半数が「自分の健康・病気」と回答。ほか、「災害」が25.7%「生活費など経済的なこと」が22.4%と20%超え。そんな心配や悩みを相談する相手は、「親族」38.8%、「友人・知人」37.2%と高い一方で、「相談する人はいない」が14.6%。大都会・東京で周囲から断絶した生活をおくる、1人暮らしの高齢者の姿がみえてきました。