以前から長時間労働が問題となっている、公立校の教員。改善が叫ばれているものの、根本的な解決には至っていないようです。みていきましょう。
日本人の平均給与「月30万円」だが…39歳・アニメーター、月230時間労働で安すぎる手取り額「生きていくのも、やっと」 (※写真はイメージです/PIXTA)

アニメ業界…国内市場と海外市場が逆転

一般社団法人日本動画協会『アニメ産業レポート2021』によると、コロナ禍で10年連続で伸長していた国内市場は、2020年2兆4,261億円と前年比マイナス884億円。アニメ産業市場を構成する9つのメディアのなかで、拡大が続く「海外」「配信」以外は、すべて前年比割れ。国内市場は1兆1,867億円だったのに対し、海外市場は1兆2,394億円と初めて逆転しました。「ジャパニーズアニメ」といわれるように、日本のアニメは世界に誇れる数少ない産業のひとつであることが、改めて確認できたことでしょう。

 

【国内・メディア別「アニメ産業」】

テレビ:839億円(88.5%)

映画:617億円(89.2%)

ビデオ:466億円(82.8%)

配信:930億円(135.8%)

商品化:5,819億円(99.2%)

音楽:276億円(81.9%)

海外:1兆2,394億円(103.2%)

遊興:2,630億円(82.2%)

ライブ:290億円(34.4%)

 

出所:一般社団法人日本動画協会『アニメ産業レポート2021』

 

そんなアニメ業界を支えるのが、アニメーターといわれる人たち。シナリオのイメージをビジュアル化する重要な部分を受け持ちます。アニメ制作の一般的な流れは、企画書→「キャラクターデザイナー」がキャラクターを作成→絵コンテから「レイアウトマン」が画面を構成→絵コンテやキャラクター設定を基に、「原画マン」が原画を作成→「動画マン」が原画と原画の間の一連の動きのある絵を描画→「作画監督」が描かれた絵を統一感のあるものにまとめる、といったもの。アニメーターは、さまざまな役割をなす人たちの総称です。

 

実際にアニメーターになるには学歴や資格は必要なく、専門学校から制作会社に就職するのが一般的。即戦力を求める会社も多く、中途採用が多いのも特徴です。また独立してフリーランスとして活躍する人が多いのも、この業界の特徴です。

 

【アニメーターの就業手形態】

正規の職員、従業員:32.0%

契約社員、期間従業員:12.0%

自営、フリーランス:64.0%

アルバイト(学生除く):4.0%

 

出所:厚生労働省 職業提供サイト『jobtag』より

 

アニメーターは統計的には「画工、塗装・看板制作従事者」に分類され、平均年齢は41.5歳、月平均労働時間(平均残業時間含む)は189時間、平均給与(所定内給与)は27万9,600円。賞与も含めた年収は推定463万円です。日本人の平均給与は月30万7,400円、推定年収は489万円(平均年齢43.4歳、月労働時間176時間)なので、労働時間が多いわりに、給与水準は低いといえるでしょう(厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』。