(※写真はイメージです/PIXTA)

40代を過ぎると、膝の痛みを訴える人が増加します。しかし、「膝の痛み」とひとことでいっても、原因や疾患はさまざま。なかには、放置すると歩行困難になったり、人工関節の置換術が必要になったりするケースも……では、一体どのような痛みに注意すればいいのでしょうか。世田谷人工関節・脊椎クリニックの塗山正宏先生が解説します。

中高齢者に突然起こる「半月板損傷」とは

2つ目の疾患は「半月板損傷」です。半月板損傷というと、スポーツや交通事故でケガをした際に発症するイメージがあるかもしれませんが、加齢が原因で半月板に亀裂が走ったり、欠けたりすることもあります。

 

加齢により半月板に痛みが出やすいのは、40代以降です。「激しいスポーツをしていないから大丈夫」とは決して油断できません。

 

そもそも半月板とは、膝関節の大腿骨と脛骨のあいだにある、C型をした軟骨組織のことです。膝の内側と外側に1枚ずつあり、膝を安定させたり、歩行したときのクッション役を果たしたりしています。

 

[図表2]半月板の位置

 

膝が曲がらない、折れない…放置すると変形性膝関節症に進行することも

半月板を損傷すると、膝を曲げ伸ばしするときに痛みやひっかかりを感じます。場合によっては、切断された半月板が膝関節の間に挟まることにより、膝が完全に動かなくなる「ロッキング」という状態になることもあります。

 

また、痛みが慢性化すると膝に水(関節液)がたまったり、変形性膝関節症へ移行してしまったりするなど、別の疾患のリスクも高まってしまいます。

 

治療方法は、こちらも変形性膝関節症と同じく、「保存療法」と「手術療法」に分類されます。保存療法では抗炎症剤や鎮痛剤を用いながら、サポーターやテーピングで患部を固定し、リハビリで膝周辺の筋肉を強化するという方法で治療を行います。

 

一方、手術療法には半月板から損傷した部分を切り取る「切除術」と、損傷部分を糸で縫い合わせる「縫合術」の2種類があります。通常、手術は関節鏡を用いる鏡視下手術となり、傷が小さく抑えられ、術後の痛みを軽減することができます。

 

なお、半月板を除去した場合でも、行動制限はありません。ただし、膝のクッションがない状態のため、膝関節の軟骨のすり減りが大きくなり、変形性膝関節症を発症しやすくなるので注意が必要です。

 

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