氷河期世代…踏みとどまった者、転落していった者の、凄い給与格差
いままでにない就職難に直面した氷河期世代。そのなかでも、転落してしまった人たちは、その後、どのような人生になってしまったのでしょうか。
2000年の超氷河期で就職したものの、ブラック体質の企業に耐えきれず20代後半で退職。その後は非正規社員としての人生を歩んできた、氷河期世代ではよくあるパターンをみていきましょう。
ストレートで大学を卒業している人であれば、2022年、45歳を迎えていますが、正社員としてしがみついていれば、月収48万3,500円、手取りにすると36万円ほどです。一方、45歳、非正社員であれば月収26万2,300円、手取りにすると20万円ほどになります。
踏みとどまった人と転落した人では、手取りで月16万円ほどの差になります。また年収で比較すると、賞与部の分、さらに格差は拡大。年間400万円以上の給与差になります。
【大卒会社員の月収と推定年収】
20~24歳:255,100 円(211,100 円)/3,415,500 円(2,590,500円)
25~29歳:307,400 円(241,400 円)/4,518,400 円(2,992,500円)
30~34歳:358,000 円(246,000 円)/5,335,200 円(3,057,600円)
35~39歳:411,700 円(251,300 円)/6,252,200 円(3,139,900円)
40~44歳:446,200 円(256,100 円)/6,844,800 円(3,225,300円)
45~49歳:483,500 円(262,300 円)/7,480,400 円(3,320,600円)
50~54歳:533,200 円(273,500 円)/8,418,800 円(3,446,700円)
55~59歳:533,200 円(264,900 円)/8,334,000 円(3,385,400円)
60~64歳:446,400 円(290,700 円)/6,497,600 円(4,101,600円)
出所:厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』より算出
※数値左より、正社員の平均月収、正社員の推定年収、(かっこ)内は非正規社員の数値
収入差は現役を引退した後も続きます。定年まで正社員で平均的な給与を得ていたとしたら、65歳からもらえる年金は月17万4,000円ほど。一方、非正規社員であれば月11万3,000円ほどと、1ヵ月で6万円、1年で72万円、20年で1,500円近くの年金差になります。
そんな転落したまま浮上できずにいる氷河期世代に向けて、政府は支援策を活発化させています。しかし2020年度から3年で氷河期世代30万人を正社員にする目標を掲げていたものの、2021年度時点で3万人と10分の1の達成度。期間は2年延長となりましたが、すでに未達という意見が目立ちます。また予算の8割が使われておらず、ニーズとのズレが指摘されています。
このまま救われずにタイムオーバーを迎えてしまうのか……氷河期世代は正念場に立たされています。