4例目の「生活保護減額」の違法判決が出て、生活保護に対する賛否両論が巻き起こっています。渦中にいる生活保護受給者の暮らしぶりとは……みていきましょう。
手取りたったの9万円「生活保護でも、残金2,000円…」貧困・母子家庭、苦しすぎる惨状 (※写真はイメージです/PIXTA)

都内パートタイムの母子世帯…手にできる生活保護受給額

色々批判が多い生活保護制度。ただ本当に困っている人を救うセーフティーネットであること、生活保護のおかげで救われている人がいることは確かです。

 

実際に生活保護を受ける場合、その受給金額は食費や光熱費などの生活に必要な保障である生活扶助と、住居を確保するために必要な家賃の保障である住宅扶助の合計、最低生活費が基準。地域や世帯人数によって異なります。

 

たとえば東京都23区在住、小学生と30代後半・パートタイマーの母親との母子世帯だったら。まず最低生活費は、19万6,160円(生活扶助基準額+児童養育加算+住宅補助基準額)。一方、30代後半女性・パートタイマーの平均月収は推定11万2,249円(厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』より算出)。手取りにすると9万円ほどです。基本的に最低生活費との差額を受給できますので、月々8万円ほどを手にすることになります。

 

最低生活費は、働けず、収入が得られなくなった際に、国から保障される金額ですから、ギリギリ生活できるというレベル。本来、贅沢などできるものではありません。

 

——残金があと2,000円。受給日まであと5日も

 

——電気代が高くなってやっていけない

 

——苦しい思いをさせて、子どもに申し訳ない

 

ネットには生活保護を受けながらがんばるひとり親世帯の悲痛の声があふれています。そのような状況まで批判されていては、たまったものではないでしょう。そんな批判も、昨今、話題になっている「マイナンバー」が義務化によって、不正受給は大きく減るだろうといわれています。預貯金と紐づけば、不正受給はすぐにバレるというのです。もちろん、それだけで不正がゼロになることはないでしょうが、本当に生活保護を必要としている人が、さらに肩身の狭い思いをしなくてもすむようになるかもしれません。