保育園の「冬の」洗礼
多くの子どもが春に入園を迎えますが、入園してからしばらくは気候のよい時期が続きます。入園してしばらくは多くの子どもたちが「洗礼」を経験しますが、1ヵ月から3ヵ月程度でだいたい発熱する頻度も減ってきます。
小児科の感染症疾患にはある程度の季節性があり、春には胃腸炎が多かったり、夏には夏風邪が多かったりはしますが、一般的に暖かいうちは流行する病気の数は少ないです。
そして、冬は、従来であればインフルエンザやRSウイルス、その他さまざまな感染症がもっとも多い季節になります。集団生活を開始した子供たちが初めて経験する冬は、洗礼の再来となることが多いです。
冬を乗り切って春になるころには、季節を一巡してひと通りの感染症と出会い、子供たちの免疫も、より強固なものになっていると思われます。
感染症動向の変化
そしてコロナ禍になってから、こうした感染症の季節感がやや薄れていると感じます。また、通常であればもうひと通りこなしている年齢であっても、コロナ禍においては初めて遭遇する病原体で、意外に重症化することもあります。
たとえば、RSウイルス感染症も従来では3歳までにほぼ全員がかかり、3歳のRSウイルス感染症はそれほどひどくならないことが多かったのですが、コロナ禍になってからは3歳でも高熱が続いたり肺炎になる症例も多く見られます。
また、以前は1歳台でほとんどの子が罹患する突発性発疹症も、発症年齢がだんだん上がっているという指摘もあります。
コロナ禍で「発熱時の対応」にも変化が
少し前までは、子供は発熱してもある程度元気であれば自宅で様子を見て、必要時に医療機関を受診する、という流れがある程度できあがってきていました。
ところが、コロナ禍になってから、発熱の原因が新型コロナウイルスであるかどうかをなるべく早く知ることが各方面から求められるようになりました。以前なら自宅で様子を見られていたのに、元気でも病院に連れていって、検査をしなければならないという風潮が生まれています。
さらに、コロナ禍になってから初めて子育てが始まった親たちのなかには、子供の発熱時の対応自体になかなか慣れることができずに、強い不安を抱えてしまうケースもあります。「子供は熱を出すものだから」というような悠長なことは、軽々しくいいづらくなってしまっているのも問題だと感じています。
米田 真紀子
京都きづ川病院/きづ川クリニック
小児科医
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