一般社団法人日本私立大学連盟が公表した『私立大学学生生活白書2022』。全国の私立大学に通う、平均的な学生像を垣間見ることができます。そのなかから、学生の経済事情をみていきましょう。
手取り月37万円・50代会社員「ごめん、お金が足りない…」私大に通う子どもに懺悔 (※写真はイメージです/PIXTA)

私立大学生…4人に1人が経済的に困窮

大学生だったころを思い出してみましょう。親元を離れていた人もいたでしょうし、実家から通学していた人もいるので一概にいうことはできませんが、下宿していたなら、学費は親が払い、そこにプラスして親からの仕送り、さらにはアルバイト。奨学金を活用するケースも多かったでしょうか。

 

奨学金の有無をきいてみると、「奨学金を受けている」が38%。「給付奨学金」が12.1%、「貸与奨学金」が20.9%、「給付、貸与の両方」が5.0%でした。

 

また経済的な状況としては「余裕がある(「余裕がある」「やや余裕がある」の合計)」が35.3%。一方で「苦しい(「苦しい」「やや苦しい」の合計)」が25.2%。私立大学生の4人に1人が、経済的な苦しさを感じています。

 

経済的な負担の大きな要因となるのが学費。学生の場合、自身で負担するのではなく親が負担するケースが多いでしょう。それでも「学費が負担になっている(「負担になっている」「やや負担になっている」の合計)」が74.4%。学生4人に3人が、「学費が高い!」と感じているようです。

 

また奨学金の有無でみていくと、奨学金を受けている学生のほうが受けていない学生より、20~30ポイント近く「経済的に苦しい」と回答。一方で「学費の負担感」については、奨学金の有無による差は10~15ポイント程度。私立大学の学費の高さは、多くの学生の悩みの種になっているようです。

 

同調査では自宅生、下宿生の区別なく平均生活費を算出しているので、ほかの調査でいまどきの学生の家計について確認していきます。全国大学生活協同組合連合会『第57回学生生活実態調査』(2022年3月1日公表)によると、自宅生の生活費は6万3,630円、下宿生は倍の12万5,280円。そのうち仕送りは7万1,880円。また生活費の多くを占める住居費は平均5万3,920円でした。

 

【大学生の1ヵ月の生活費】

■自宅生

・収入合計:63,630円

(内訳)

小遣い:10,370円

奨学金:10,240円

アルバイト:39,860円

定職:490円

その他:2,670円

・支出合計:6,2970円

 

■下宿生

・収入合計:125,280円

(内訳)

仕送り:71,880円

奨学金:20,380円

アルバイト:29,130円

定職:450円

その他:3,450円

・支出合計:125,040円

 

出所:全国大学生活協同組合連合会『第57回学生生活実態調査』より