「アルツハイマー型認知症」…日本人の死因第9位
WHOが発表した2022年版の世界保健統計(WorldHealthStatistics)で、世界一の長寿国とされた日本。また厚生労働省『令和3年簡易生命表』でも日本人の平均寿命は女性が87.57歳、男性が81.47歳とされ、日本人の長寿化が鮮明になっています。
それに伴い、増加傾向にあるのが認知症。脳の病気や障害など様々な原因により、認知機能が低下し、日常生活全般に支障が出てくる状態」であり、そのなかで最も多いのが「アルツハイマー型認知症」。厚生労働省のホームページによると、脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程でおきる認知症であり、症状はもの忘れで発症することが多く、ゆっくりと進行するといいます。
また進行すると、小刻みな歩行や前傾姿勢などの運動障害が見られるようになり、徐々に寝たきり(失外套症候群)に。最後は呼吸器感染で死亡するケースが多く、アルツハイマー型認知症は人口10万人当たりの死亡率18.7で、日本人の死因の9位となっています。
【日本人の死因<2021年>上位10】
1位「悪性新生物<腫瘍>」310.7
2位「心疾患」174.9
3位「老衰」123.8
4位「脳血管疾患」85.2
5位「肺炎」59.6
6位「誤嚥性肺炎」40.3
7位「不慮の事故」31.2
8位「腎不全」23.4
9位「アルツハイマー病」18.7
10位「血管性等の認知症」18.2
出所:厚生労働省『令和3年人口動態』
※数値は死亡率(人口10万人当たりの死亡数)
人口当たり「アルツハイマー型認知症による死亡率」が最も高いのは「新潟県」。「秋田県」「山形県」「鳥取県」「青森県」と続きます。一方で最も少ないのは「愛知県」。「沖縄県」「千葉県」「大阪府」「東京都」と続きます。年齢との因果関係の強い疾病だけに、高齢化率の高い地域で死亡率が高くなっています。