常に不安感渦巻く社会で生きてきました…日本の20代若者「未来に期待しない」
年金だけでは月々の生活費をまかなうことはできず、足りない分は貯蓄を取り崩す生活が目に見えている日本の高齢者。それに対して、年金不安が広がっています。
——こんなに働いてきて、年金で暮らしていけないなんて
——もう年金保険料なんて、払いたくない
——老後の生活くらい保障しろ!
そんな声に対して、同調する意見が多数を占めますが、なかには冷めた意見も。
——まだ年金なんか、あてにしてるの?
そういうのは、20代の若者。「決まりだから保険料を払っているけど、年金なんてもらえないものだと思っている」というのです。
政府はいまの年金制度を「100年は安心」といっていますが、支給額は現在の水準よりも実質2割は減少するといったシミュレーションも行っています。確かに、年金をあてにしていては老後の生活苦はみえている状況です。
一方、2000年以降に生まれも登場してきた20代。2008年、日本は人口減少期に入り、人口規模縮小にともない経済の縮小、競争力の低下などいわれ、不安しかない世の中に。一方で高齢化率は2000年代に17.4%から23.0%と、10年で5ポイントも上昇し、老後不安も拡大しました。物心ついたころから、ただただ不安感が広がる社会が当たり前だったのが、いまの20代です。それより上の世代よりも、肝が座っているともいえるかもしれません。
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社が行った『20代の金銭感覚についての意識調査 2022』によると、「問.老後の生活資金は年金だけで十分だと思う」に対して、「そう思わない」が89.9%。40年後の生活に対して、9割の若者が「年金だけでは足りない」ということを自覚しています。上の世代よりも現実的に老後を見据えているといえるかもしれません。
——余裕はない。でも、毎月数千円でも、1万円でも、投資してる
と20代男性。すべての若者が、というわけではありませんが、投資に対し高いハードルを感じる人も多い中高年に比べ、将来をしっかりと見据えている人が多いようです。