「年金だけでは、老後は暮らしていけないらしい……」「老後に必要な貯蓄って、いくらくらいなんだ……」老後に対する不安感ばかりが大きくなり、「そもそも何のための年金なんだ!」と怒りを露にする人も。そんな様子を冷ややかな目で見ている若者がいます。みていきましょう。
平均月14万円だが…「まだ年金にすがってるの?」将来不安を口にする中高年に、20代の若者が痛烈批判 (※写真はイメージです/PIXTA)

年金だけでは暮らせません…赤字確定の日本人の老後

——老後、どれだけのお金があれば暮らしていけるのか?

 

老若男女、一度は考えたことがあるだろう不安。それに対する回答はさまざまにいわれています。公益財団法人生命保険文化センター『2022(令和4)年度 生活保障に関する調査(速報版)』によると、老後を夫婦2人で暮らしていく上で、必要とする最低日常生活費は平均月23万2,000円。ゆとりある老後を考えると、平均月37万9,000円はほしいという結果でした。

 

こちらの調査は全国18~79歳の男女4,844人に行ったものなので、実際に老後の生活を送る人もいれば、老後の生活をまったく想像できない人までさまざま。絶対的に必要な老後資金とはいえませんが、ひとつの指標にはなるでしょう。

 

実際にもらえる年金額は、以下の通り計算されます。

【国民年金】

年金額×(保険料の納付月数÷480ヵ月)

 

【厚生年金】

■加入期間が2003年3月まで

平均標準報酬月額(≒平均月収)×7.125/1000×2003年3月までの加入月数

■加入期間2003年4月以降

平均標準報酬額(≒平均月収+賞与)×5.481/1000×2003年4月以降の加入月数

 

2022年度、国民年金の受給額は満額で月6万4,816円。一方平均は月5万6,358円です。一方、厚生年金の受給額平均は月額14万6,145円。この金額には繰り上げ受給分も加味されているので、65歳以上に限ると、平均男性で17万0,391円、女性で10万9,205円となります。

 

*厚生労働省『令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』より

 

ちなみに日本年金機構が公表しているモデルケースとして、平均的な収入(平均標準報酬(賞与含む月額換算)43.9万円)で40年間就業した場合に受け取れる年金額(老齢厚生年金と2人分の老齢基礎年金、満額時)は21万9,593円としています。

 

それに対して、昨今の高齢者が月々、どれほどの生活費がかかっているかというと、「消費支出」は22万4,436円、「非消費支出」は3万0,6642円(公的年金給付21万5,603円)、合計25万2,245円で、毎月1万8,525円の赤字になるという結果に。調査年により数値にバラつきはあるものの、「支出」>「収入」という結果はなく、老後、赤字は確定といえるでしょう。

 

*総務省『家計調査 家計収支編』(2021年)より