話のネタとして、よくあがる“世代間の不幸自慢”。「うちらの世代は……」「それなら、うちらの世代だって」と、議論が交わされていきますが、あまりの不幸すぎるエピソードに、誰もが黙ってしまうのが、2022年に40代の人たちかもしれません。みていきましょう。
手取り32万円・40代大卒サラリーマン「うちらの世代だけ給与減」あまりの不幸に同情の嵐 (※写真はイメージです/PIXTA)

いまの40代は本当に不幸なのか? 10年前の40代と比較

——最も不幸な世代

 

いまの40代は、そう揶揄されることがあります。この世代は、いわゆる氷河期世代。大学卒業時には就職難民にあふれ、正社員になれるならと、不本意な就職を決めた人も多くいました。そのため仕事が長続きせずに脱落。そのまま引きこもり状態となり、いまに至る……。昨今、中高年の引きこもりが問題視されていますが、こちらに関しても主人公となる世代です。何かとマイナスの面で当事者になることの多い、それがいまの40代なのです。

 

ただ40代は昔から大変な年ごろ。会社においては中間管理職、上と下に挟まれて、何かとしがらみの多い年ごろ。私生活では、教育費や住宅ローンで身動きが取れず、不自由な思いばかり。特別、いまの40代が大変なのでしょうか。

 

厚生労働省『令和3年賃金構造基本統計調査』によると、大卒サラリーマンの平均給与は、40代前半で月44.2万円、40代後半で47.8円。手取りにすると、32万円、34万円といったところです。さらに年収は、40代前半で推定676万円、40代後半で738万円。

 

そこからさかのぼること、10年前の2011年。そのころ40代だったのは、1962年~1971年生まれで、今年51~60歳になる人たちです。バブル期の前夜から、まさにバブル期まっただ中に就職を決めた世代で、“超売り手時代”だったころ。「他の企業に取られぬよう、内々定を出した学生をハワイに隔離」といった、いまでは考えられないようなことが、普通に行われていました。ただ今年51歳になる人たちは、就職氷河期の1期生。「えっ、何で自分たちが!?」と時代を呪った最初の世代かもしれません。

 

そんな2011年の40代、平均給与は40代前半で月48.5万円で、推定年収は746万円。40代後半だと月51.8万円、推定年収で836万円。日本を未曽有の大災害が襲った年でしたが、給与面では今の40代よりも随分と幸せな想いをしていたようです。