超高齢化社会である日本。年金の受給開始引き上げなど、老後の負担は年々増えています。そのようななか、甘い見通しのもと備えを怠っていたことにより「最悪の事態」に陥るケースが少なくないと、社会福祉士兼FPの武田拓也氏はいいます。日本の高齢者が直面する厳しい現実に立ち向かうには、どのような備えが必要なのか……社会福祉士として老人ホームでの勤務経験もある武田氏が解説します。
月14万円じゃ足りません…要介護の「寝たきり高齢者」が直面する悲惨 (※写真はイメージです/PIXTA)

現役世代が「介護費用」を準備できない・しないワケ

その理由の1つとして、「健康な自分が介護を受けるイメージができない」ということがあります。昔は大家族で、家族の介護も自宅で行っていましたし、介護も短期間でした。いまは核家族化や介護サービスでの入所型の施設など、医療の発達により介護が長期化しているのです。

 

お金があれば、施設に入って24時間体制の介護サービスを受けることもできるでしょう。しかし、施設によっては月々20万円以上の費用が必要な場合も多くあり、充実したサービスを受けられる人は限られます。私が勤めていた老人ホームは月々25万円ほどが必要で、入居者のなかには私が勤めていた数年のあいだに資産が尽きてしまい、やむなく退去された人もいました。

 

そのような「最悪の事態」に陥らないためにも、現役時代からの資産形成が重要です。できるだけ早くから準備を始めていきましょう。

 

 

武田 拓也

株式会社FAMORE

代表取締役