「夏~秋」に抜け毛が増えるワケ
人により個人差はありますが、ちょうど初夏(梅雨ごろ)から夏にかけて、あるいは夏から秋にかけて抜け毛が増える方が多いようです。
実際に抜け毛の本数や量を調べた研究というのは無いのですが、20年を超えるAGA治療の写真データを確認していると、夏前後の期間一時的に薄毛状態が悪くなり、冬になると元に戻る方が一定数いることがわかります。
もちろん全員というわけではありませんが、AGA治療を行っているうちの7~8割の方が、それもAGAが進行している方のほうが顕著に確認できるようです。
これは、AGA初期の方は髪の毛の絶対量が多い分、多少抜け毛が増えても変化がわからないとも考えられますし、AGAが進行すると毛周期(寿命)の短縮が影響し、夏に抜け毛が増えているという可能性もあります。 動物には夏毛、冬毛の生え変わりがあるため、そういったものと関係があるのかもしれません。
いずれにしろ、人間の季節に関係する抜け毛については明確に解明されてはいないものの
・抜け毛が増えた結果、一時的に薄毛状態も悪化したように見える(季節が過ぎれば元に戻る)
という現象が一部の方で確認できると考えてください。 これはAGAなどの「進行性の薄毛」とは異なり季節の変化によるものですから、あくまで一時的な変化だけで季節が変われば元に戻ります。
「抜け毛」に神経質になるのは“無意味”
抜け毛本数の研究というのは、世界的にもほとんど行われていません。 抜け毛を調べても得られる情報は少なく、仮に調べるにしても数百人の抜け毛を24時間体制でチェックしなければいけませんので、その労力が医学的・社会的な利益に見合うとはとても考えられません。
たまに個人で抜け毛の本数を数えている患者さんもいらっしゃいますが、お風呂以外の昼間などに抜ける毛もあれば季節による抜け毛の変動もありますし、たとえ24時間365日すべての抜け毛を欠かさずに集めたとしても、それは個人のデータでしかありません。医学的データには程遠いものです。
また、本来心配するべきは「抜け毛」ではなく、「薄毛」の原因です。 抜け毛が原因で薄毛になるのではなく、それぞれの薄毛原因の結果として抜け毛が増えるわけですから、研究すべきは薄毛の原因なのです。
現在ではある程度の薄毛・脱毛症の原因について研究が進んでいますし、AGAについては原因が解明され治療法も確立されています。抜け毛が気になったら、抜け毛自体の心配より先に薄毛の原因と治療についてまず考えてみてください。
髪の毛には生え代わりのサイクル…治療中であれば薄毛は「心配無用」
お風呂の際に「排水溝にたまった髪の毛の量を見て心配になった」という相談を受けることがよくありますが、そもそも排水溝にたまるような「太くて」「長い」髪の毛は薄毛とは関係のない、寿命をまっとうした元気な毛です。
髪の毛には一定の寿命があり、男性は5~7年、女性は5~10年で自然に抜けてまた生えてくる、ということを繰り返します。また抜け毛はどんな人でも1日約100本抜けるといわれていますし、AGAの方は100~200本くらい抜けることもあります。
太くて長い毛が100本近くあればそれなりのボリュームに見えると思いますが、平均的な数値ですので特に心配いりません。
たしかに薄毛が進行した結果として細い抜け毛が増えるというのは事実ですが、細い抜け毛はあまり目立ちませんし、仮に「枕に細い抜け毛があった」と言われても、そもそも生え際やえりあしなどのもともと細い毛も抜けますから、なんともいえません。
いずれにしても、抜け毛を調べても得られる情報は少なく、本数を数えても時間の無駄です。薄毛治療をしているのなら抜け毛は心配ありません。
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