家族を介護することになったとき、気になるのは仕事。介護度が上がっていくとそれだけ負担は大きくなり、介護と仕事の両立は難しくなるでしょう。そんな介護者を支援する制度も整備されていますが、それでも介護の負担は重いようです。みていきましょう。
「介護休暇を取りたい」「はぁ!?」…親を世話する子に訪れる、残酷すぎる老後 (※写真はイメージです/PIXTA)

介護休暇・介護休業の取得は労働者の権利

内閣府『令和3年版高齢社会白書』によると、介護保険制度における要介護又は要支援の認定を受けた人(以下「要介護者等」という。)は、令和元年度で655.8万人。65~75歳未満の要介護率は3%ですが、75歳以上になると23.1%と、5人に1人以上が人の手を借りるようになります。

 

問題は「誰が介護をするか」ということ。「もし介護状態になったら、家族には迷惑をかけたくない」と願うものの、実際にその必要性が生じたとき、54.4%が「同居している人」が介護を行い、その内訳は「配偶者」が23.8%、「子が」20.7%、「子の配偶者」が7.5%と家族が中心。要介護になったとき、家族なしに日常生活を送ることがいかに困難か、物語っています。

 

現役世代が介護問題に直面するのは、自身よりもまずは親。40歳を過ぎたあたりから、同僚との会話にも「親の介護」というワードが増えていき、50代になると実際に携わる人も多くなるでしょう。

 

厚生労働省『仕事と介護の両立等に関する実態把握のための調査研究事業』の報告書によると、調査回答のあった852社で「介護している従業員」がいる割合は、正社員で全体の35.2%。企業規模別にみると「従業員301~1,000人企業」で52.8%、「従業員1,001人以上企業」で73.7%と、大企業になるほど、介護している従業員は当たり前の存在になっています。

 

介護をする、当の本人のなかには、仕事との両立に難しさを感じている人もいるでしょう。そこで活用したいのが「介護休暇」「介護休業」といった制度です。

 

「介護休暇」「介護休業」は「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律(育児・介護休業法)」で規定されている、仕事と介護の両立を支援する制度。基本的に事業主は申請を拒否することはできず、またそれを理由に解雇することはできません。介護休暇、介護休業の取得は法律によって守られている権利です。

 

◆取得できる休暇の日数

[介護休暇]

介護が必要な対象家族1人あたり1年で5日まで。要介護状態の対象家族が2人以上の場合は10日を限度に取得可能。取得単位は1日または時間単位。

[介護休業]

要介護状態にある対象家族1人あたり、通算93日まで。3回を上限に分割取得可能

 

◆対象家族

配偶者 (事実婚を含む) 、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫

 

◆対象となる労働者

[介護休暇]

対象家族を介護する男女の労働者(日々雇用を除く)

※労使協定を締結している場合、「入社6ヵ月未満」「1週間の所定労働日数が2日以下」の労働者は対象外となる

[介護休業]

対象家族を介護する男女の労働者(日々雇用を除く)

※パートやアルバイトなど、期間を定めて雇用されている労働者は別途要件を満たすことが必要

 

◆手続き

[介護休暇]

書面の提出に限定されておらず、口頭での申出も可能

[介護休業]

休業開始予定日の2週間前までに、書面等により事業主に申出

出所:厚生労働省ホームページ