“過去から学ぶ”…優良企業の選び方
プロの投資家に多大な利益を与える優良企業の株ですが、いったいどのようなことを考慮すれば、数ある株式のなかから優良企業の株を選ぶことができるのでしょうか。ポイントは「過去から学ぶこと」です。
アメリカを筆頭に、世界経済は幾度も「経済危機」と呼ばれるさまざまな大暴落を経験してきました。それは日本も例外ではありません。不況時には多くの企業が倒産し、市場にお金が流通しにくいデフレの時代が何年も続きました。
しかし、日本経済はいまも生き続けています。大不況を乗り越え、現在でも日本経済を支えている企業は、紛れもなく優良企業といえます。株式投資初心者が、市場全体が下落基調にある場面で利益を出すためには、このように不況を生き抜いてきた優良企業の歴史を学ぶ必要があるのです。
まずは、「不況を生き抜いた企業」と」「倒産してしまった企業」の過去のチャートや損益計算書、貸借対照表などを比べてみましょう。多くの企業を比較することで、どこに資金を投資すれば不況時でも会社を守る事業を展開することができるか、理解することができます。
市場暴落時は個別企業のテクニカル分析をするだけでなく、どこにどれだけの資金を投資しているか、また手元にどれだけのキャッシュが残っているか確認するクセをつけていきましょう。
キャッシュが潤沢で不況を見据えた投資ができている企業こそ、プロの投資家が目をつけている優良企業である可能性が高いです。企業の経営に関する情報は、「IR情報」として誰でもアクセスすることができます。
多くの初心者トレーダーは面倒などといって企業の内部情報整理を行いませんが、整理をすることで日々のテクニカル分析の精度が格段に上がります。
初心者トレーダーがプロの投資家として活躍するためには、チャートや企業情報などを複合的に考える能力を高めていく必要があるでしょう。
まとめ…積極的な買いでピンチをチャンスに変える
前述のように、株式市場全体の下落は優良企業の株を割安で買えるチャンスです。過去に起きた不況時にどのような企業が不況を乗り越えたか学習することで、下落局面の相場において大きく役立ちます。
優良企業の選定が上手いプロの投資家は、企業選びに迷いがありません。市場下落時、株式投資初心者はまず自分の資金を守る態勢を整えましょう。そして余剰資金の範囲で、自分の分析によって出した優良企業の株を積極的に買っていくといいでしょう。
もし仮にその新規の株が一向に上がらなかったとしても、いい勉強の機会になったと自分を認めてあげることが大切です。そしてなにが悪かったのかを振り返り、さらに自分の企業分析能力を高めていきましょう。
「企業分析能力」と「テクニカル分析能力」を組み合わせることによって、プロの投資家に引けを取らないトレーダーになることができるのです。
株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO
川合 一啓