いつまで続くのか物価高…低所得の高齢者を襲う
ウクライナ危機や円安の影響で進行している物価高。たとえばパンや麺類など、日常生活に欠かせない小麦。10月以降に2割程度上昇するなどといわれ、家計負担は増すばかり。岸田総理は地方自治体の生活困窮者支援策などに活用されている地方創生臨時交付金の増額を指示したり、ガソリンなど燃料の価格高騰を抑える石油元売り会社への補助金について対策を講じるよう求めたりと、物価高対策に乗り出しています。
総務省が発表した年収階級別、6月の消費者物価上昇率をみていくと、最も高所得である年収962万円超の世帯が前年同月比2.0%だったのに対し、最も低所得である年収463万円未満の世帯は2.4%でした。
【世帯年収別「消費者物価上昇率」】
勤労世帯平均:2.1%
463万円未満:2.4%
463万~606万円未満:2.2%
606万~751万円未満:2.1%
751万~962万円未満:2.1%
962万円以上:2.0%
出所:総務省
※2022年6月、前年同月比
同じように、世帯主の年齢別に2021年の消費者物価上昇率をみていくと、30代から50代は前年比0.4~0.5%の減少だったのに対し、60代では前年比0.1%減、70代では前年比0.1%増となりました
【年齢別「消費者物価上昇率」】
~29歳:▲0.9%
30~39歳:▲0.5%
40~49歳:▲0.4%
50~59歳:▲0.5%
60~69歳:▲0.1%
70歳:0.1%
出所:総務省
※2021年、前年比
食料やエネルギーを中心とする物価高は、低所得世帯ほど重荷になる傾向にあり、収入元が限られる高齢者ほど、事態は深刻であることがわかるでしょう。
厚生労働省『令和2年度厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、国民年金受給者の平均受取額は月額5万6,358円、厚生年金受給者の平均受取額月額14万6,145円。足りない分は、貯蓄から取り崩していくことになります。物価高により、貯蓄が減るスピードがあがっていく……毎日暮らしていくだけで、不安が大きくなっていきます。