
「地方在住の元共働き夫婦」に資産額を尋ねると
大学卒業後、地元のメーカーに就職した山本健一さん(仮名)と、地元の短大を卒業し、健一さんが就職した会社で働いていた絵美さん(仮名)。入社年は絵美さんのほうが先輩でしたが、同い年ということで意気投合し、交際へと発展して結婚。2人の子宝にも恵まれました。絵美さんは結婚・出産を機に会社を退職し、30代の間は仕事から離れていましたが、40代になると簿記の資格を活かして仕事に復帰。ともに65歳になるまで勤め上げ、現在は年金生活に入っています。
健一さんが受け取る年金額は、基礎年金と厚生年金を合わせて月16.9万円。10年間のブランクのある絵美さんは月12.5万円。夫婦で月29.4万円、手取りにすると25万円ほどを受け取る計算です。
――贅沢な暮らしができるわけではありませんが、ゆったりと過ごしていける……そんな年金額ですね
派手ではないものの、穏やかな日々。誰もが憧れ、なかなか実現の難しい老後を、山本さん夫婦は手にしていました。ここまではよくある話かもしれませんが、驚きなのが夫婦の資産額です。
――預貯金と投資信託や株式で……1億円を超えるくらいかと
と、にっこり。山本さん夫婦は地方在住のどこにでもいる元共働き夫婦と思いきや、金融資産1億円以上の「富裕層」だったのです。
――え、私たちも富裕層の仲間……いや、そうですね。最近は株価が好調なので評価額がぐんと増えただけで、たまたまですよ
「本当に恐縮です」と語る山本さん。失礼ながら、そこに富裕層という雰囲気は一切ありません。