(※写真はイメージです/PIXTA)

超高齢社会の日本では、現在6~7人に1人が認知症を患っており、今後もますます増えていくことが予想されています。認知症は早期発見により進行を遅らせることが可能なため、初期症状のサインを知り、変化に気づくことが重要だと、高座渋谷つばさクリニック院長の武井智昭先生はいいます。「認知症の初期症状」にはどのような言動がでるのか、11のサインをみていきましょう。

夜間徘徊、幻覚…「行動・心理症状」のサイン

◆行動・心理症状(BPSD)

本人がもともと持っている性格や生活環境などさまざまな要因によって生じる心理面・行動面の症状で、BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia)とも呼ばれます。

 

6.抑うつ
気分の落ち込みや意欲の低下により、反応が薄く、閉じこもります。

 

7.徘徊
他者には理由がわからないことが多いですが、本人には理由があり絶えず歩き周ります。夜間に多い傾向があります。

 

8.幻覚
実際に見えないものが見える「幻視」が多く、聴こえないはずの音が聞こえる「幻聴」の症状もみられます。また、アルツハイマー型認知症の場合は鏡の前の自分の姿に対して、違和感を訴えます。

 

9.暴力・暴言
脳の機能低下で意思表示が難しくなり、感情抑制が困難となります。

 

10.睡眠障害
入眠困難、中途覚醒、昼夜逆転などの状態が生じます。

 

11.妄想
もの盗られ妄想など、被害妄想が多いです。

 

まとめ…初期症状から気づけるチェックポイント

以上のことから、初期症状で気づけるポイントとしては以下の通りとなります。

 

・同じことを何回も話したり、質問をする
・物を忘れて探すことが多い。「盗まれた」と訴えるようになる
・金銭管理や服薬管理ができなくなる
・仕事や料理など家事の能率が低下している
・冷蔵庫のなかに似たような物ばかり増えている
・趣味や外出などに興味を示さなくなる
・ATMや自動販売機、リモコンの操作が困難になる
・喜怒哀楽が激しくなる
・季節に合わない服装をする
・約束を破ることが多い

 

認知症外来の受診のきっかけとしては、こうした症状を本人が自覚するというよりも家族など周囲の人間から指摘されて来られるケースが多いです。自分自身や家族に認知症が疑われる場合、まずは地域包括支援センターや市役所などの行政機関に相談するのがいいでしょう。

 

その後、医療機関を受診し診断を受け、治療が開始されることになります。この際、同時に介護保険申請を行う場合がほとんどです。

 

 

武井 智昭

高座渋谷つばさクリニック

院長
 

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