ショックでも…失禁などの問題行動に叱責はNG
徘徊
時間に余裕があるときは一緒に外出して、本人の気が済むまで一緒に歩いてあげるのがいいでしょう。付き添うのが難しいときは、名前・住所・家族の電話番号を書いた名札や名刺を持たせたり、玄関に鈴をつけるなどして、出入りを把握できるようにするのがおすすめです。
「誰かが狙っている」などの幻覚
幻覚から「狙われている」「誰かいる」などと言うとき、本人は非常に怖がっています。
否定するのではなく「私が一緒だから大丈夫」「じゃあ一緒にやっつけてしまいましょう」などと言って、安心させてあげてくださいね。
暴言や暴力をふるうなど、攻撃的な振る舞い
認知症状により人が変わったような暴言や暴力がみられるときは、本人が落ち着くまで1人にしてあげたり、注意を別のことに向けてあげるのが効果的です。家族からすると、そのような本人の姿は辛く、受け入れがたいと思いますが、必要に応じて医師や介護士などの専門家に相談しながら対応しましょう。
失禁や不潔行為などの問題行動
問題行動の一部は本人が失禁や排泄の失敗を恥ずかしく思い、隠そうとするために起こると考えられているため、叱責するのはよくありません。失禁や不潔行為への対応には「こっちのほうが気持ちいいから」と説明するなど、本人の失敗を恥じる気持ちを踏みにじらないような工夫が必要です。
また、その人の生活リズムがある程度把握できているようでしたら、いつも排泄している時間に一緒にトイレに行って尿や便の排泄をサポートしましょう。
おわりに…認知症状を受け入れ、お互いの自尊心を守る
認知症になると、脳機能の低下によりできていたことができなくなったり、別人のように感じられるようなことも出てきます。家族や周囲の人にとって、このような状態を見るのは辛いでしょう。
しかし認知症状のある現在のその人を受け入れ、対応することで、認知症介護による本人と周囲の辛さは少なくなります。お互いの自尊心を守ることを念頭に置きながら接しましょう。
山本 康博
MYメディカルクリニック横浜みなとみらい
院長
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