(※写真はイメージです/PIXTA)

40〜50代と比較的若い世代で発症する「若年性認知症」。働き盛りの世代で発症する認知症で、患者さん本人はもちろん、家族や周囲の人のショックや、生活に与える影響が大きいことは想像に難くありません。本記事では、MYメディカルクリニック横浜みなとみらい院長の山本康博氏が、自分はもちろん、周囲からもわかる若年性認知症のサインについて、複数のチェックリストを交えて解説します。

家計、介護…多方面に影響をおよぼす「若年性認知症」

若年性認知症とは、一般的に65歳以上の高齢者でみられる認知症が65歳未満の比較的若い世代で発症するものです。

 

働き盛りの年代になりますから、たとえば若年性認知症のために仕事に支障が出たり、退職を余儀なくされてしまった場合、経済的に困難な状況になります。子どもが成人していなければ、精神的にショックを受けることはもちろん、学費などの問題から教育や就職、または結婚などの人生設計に大きく影響することも考えられます。

 

また、本人や配偶者の両親の介護問題などが重なる時期でもあり、家族や周囲の人に対して負担が大きくなります。

 

このように、若年性認知症は高齢者が発症する認知症よりもさらに大きな社会的問題であることは間違いありません。

 

しかし、実態もまだ十分に明らかにされておらず、医療・介護の現場でも、企業でもまだまだ認識が広まっていないため、支援も不十分であるというのが現状です。

「認知症」と「若年性認知症」の違い

若年性認知症は、原因疾患によって「血管性認知症」「アルツハイマー性認知症」「前頭側頭型認知症」「レビー小体型認知症」などに分けられます。それぞれ、以下のようなことが原因で起こる認知症です。

 

血管性認知症……脳梗塞や脳出血など、血管の異常に引き続いて起こる
アルツハイマー型認知症……脳の神経細胞が徐々に減少し、正常に働かなくなる
前頭側頭型認知症……前頭葉や側頭葉など、脳の前方部分が萎縮する
レビー小体型認知症……脳のなかに「レビー小体」というタンパク質が発生する

 

高齢者では「アルツハイマー型認知症」が圧倒的に多いのに対し、若年性認知症では「血管性認知症」がもっとも多い(約40%)ことがわかっています。そのほか、頭部外傷の後遺症、感染症、脳腫瘍など、若年性認知症は非常に原因が多様であるという特徴があります。

 

近年注目されている「前頭側頭型認知症」は、若年層で多いことも知られています。

 

そのほかに分類される「慢性硬膜下血腫」や「正常圧水頭症」など、可逆的な病態で一時的に認知症が起こっている場合、原因となっているこれらの疾患を治療すれば認知症の症状も改善することがあります。

 

若年性認知症と高齢者の認知症は、原因以外にも以下のような点で異なります。

 

•発症年齢が若い(平均51歳程度)
•高齢者の認知症は女性に多いが、若年性認知症は男性に多い
•体力があり、ボランティアなどの活動はできる
•いままでと違う変化に気づくが、認知症とは思い至らないことも多い
•働き盛りが多く、経済的な問題が大きい
•主な介護者が配偶者となってしまう場合が多い
•親世代との複数介護になってしまうこともある
•高齢の両親が介護者となることもある
•子どもの養育や教育・結婚、夫婦間の問題など、家庭内で起こる問題が大きい

 

このように違いを把握しておくことで、理解や対応の仕方を考えることができます。ただし、発症年齢が違うことで社会的に問題が大きい疾患ではありますが、症状そのものは高齢者の認知症と変わりません。

 

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