100万円の自己資金があったらすべて取引に使ってしまっていませんか? 初心者の多くが陥るこの行動は、取引の幅が広がる一方で、自己管理を怠ると資金を大きく減らすリスクも高めてしまいます。信用取引で成功する人は、常にためらいなく損切りができる額で取引していると、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏はいいます。本記事では、「勝てる建玉」で心に余裕を持ってトレードをする方法について詳しくみていきましょう。
100万円の自己資金…株式投資が「ヘタな人」の使い方【投資のプロが解説】 ※画像はイメージです/PIXTA

勝つためには守ることが最も重要

多くの初心者トレーダーは1日でも早く資産を増やしたいと思っています。そのため相場が乱高下する難しい場面でも自分が持てる最大限の取引をしています。

 

プロのトレーダーでも難しい場面で持てる建玉いっぱいの取引をしても安定して収益は上げられないでしょう。株式取引の世界で収益を上げていくためには、勝つことだけではなく負けないことを考えることが非常に大切です。

 

負けない土台を作ったうえで、勝ちを意識することがプロのセオリーです。多くの初心者トレーダーは考え方の順番を間違っているため、なかなか利益を上げることができません。

 

つまり、負けにくい手法を確立し、適切な資金管理さえ行えばトレード初心者でも株式投資で安定した収益を上げることができます。

 

脱株式投資初心者を目指すのであれば「勝つためには守ることが最も重要」というプロのセオリーを理解することから始めましょう。

損切りができる数量でトレードする

プロの株式投資家のように安定した利益を出すためには心理的な余裕を持つことが大切です。心理的な余裕を身につけることで勝つ建玉を持つことができます。

 

プロのトレーダーは初心者トレーダーにはない達観した視点を持っているので、いかなる場合でも強いメンタルと合理的な資金管理ができるのです。

 

日常の取引で心理的な余裕を身につけるためには、心理的余裕ができる数量でトレードすることが重要です。心理的余裕のできる数量とは、ためらいなく損切りできる数量のことを指します。要するに「持てる建玉」で取引しないということです。

 

自分が持てる最大の数量を保有してしまうと1回1回のトレードでかかる精神的な負担が多大なものになってしまいます。そのような状況下でトレードするということは、1つの選択ミスが多大な損失を招く可能性があるということです。

 

初心者トレーダーにありがちなコツコツドカンが典型例といえるでしょう。多くの初心者トレーダーは持てる最大の力を出すことがプロの投資家への近道と考えるでしょう。しかし、実際には持てる最大の力を出す取引は自らの身を滅ぼす道に繋がっているのです。

 

まとめ

本当のプロの株式投資家を目指すのであれば、まずためらいなく損切りできる範囲でトレードすることを心がけましょう。普段から「持てる建玉」で取引している人は、得られる利益が少なく退屈なものに感じるでしょう。

 

しかし、心理的な余裕がある状況でトレードすると、日々の取引で様々な学びを得ることができるでしょう。この日々の学びの積み重ねがプロの株式投資家への近道になるのです。

 

 

株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO

川合 一啓